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高木凛々子

 最近は、少しずつ対面のインタビューが行われるようになっている。
 先日は、若手ヴァイオリニストの高木凛々子に話を聞くことができた。
 彼女はコロナ禍でも、音楽をひとりでも多くの人に聴いてほしいと願い、You-TubeやTikTokusなどによる動画配信を行い、いまやそれが大きな人気を博している。
 今回は、7月31日にヨコスカ・ベイサイド・ポケットで開催される「フレッシュ・アーティスツfromヨコスカ シリーズ60」のヴァイオリン・リサイタルの話をメインにインタビューを行った。
 このインタビューは、次号の「ぶらあぼ」に書く予定になっている。
 プログラムのJ.S.バッハ、グリーグ、シュニトケ、ショーソンの作品や選曲の理由、これまでの歩みなどについて聞き、そこから話題はさまざまな方面に広がっていった。
 とても雄弁で、ひとつひとつの質問に一生懸命ことばを選んで話してくれ、しかも明るく前向きである。
  今後は国際コンクールを受けることや留学も視野に入っていて、とても意欲的。
  若手アーティストは最初の段階から演奏を聴き続けると、その成長や変化がわかり、非常に興味深い。
  高木凛々子も、これから聴き続けていきたいと思う。
  今日の写真は、インタビュー後のワンショット。使用楽器は、2020年から黒澤楽器より貸与されているストラディヴァリウス
「Lord  Borwick(ロード・ボーヴィック)1702」である。 
  この楽器との出合いなどに関しても、記事で触れたいと思う。

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posted by 伊熊よし子 at 22:46 | クラシックを愛す

藤田真央

  若きピアニストの藤田真央のインタビューは、いつも心が温かくなる感じだ。
  今日は「音楽の友」の「ショパン特集」の電話インタビューを行い、ショパンに関すること、近況などをいろいろ聞くことができた。
  真央さんは、ショパンのピアノ・ソナタ第3番をチャイコフスキー国際コンクールで演奏し、大絶賛を博した。
  いつもはゆったりと話している彼が、その話題となると一気にテンションが上がり、早口になった。
「私は、ショパンのピアノ・ソナタ第3番はすごくうまいんですよ」と、自画自賛しながらケラケラ笑っている。
  本当に、陽気で楽しくて、人に好かれるものをもっている人である。
  若手ピアニストに話を聞くと、ほとんどの人が「ショパンは命」「ショパンは大好き」「一生弾いていきたい」と答えるが、真央さんは「ショパンはあまり弾かないし、そんなに向いていない」と明言する。
 「そんなこといっていいの?  そのまま書いちゃうけど」というと、「いいよ―、本当のことだから」と屈託がない。
  こういうピアニストがいるとかえっておもしろいし、読者も本音トークで興味深いんじゃないかな。
  彼はチャイコフスキー・コンクール後からゲルギエフに信頼され、ヨーロッパでのコンサートが目白押し。この夏も、ヴェルヴィエ音楽祭に呼ばれ、モーツァルトのピアノ・ソナタ全18曲を何日間かに分けて演奏するそうだ。
  「そのコンサートの間に、5日間オフの日があったんだけど、ゲルギエフに急にバーデンバーデンに行けといわれ、コンチェルトで共演することになってしまった。本当にタイトなスケジュールなんですよ」と、苦笑い。
  若き逸材は、まさに引っ張りだこの人気者である。
  さらに新たなレコーディングも決まったそうで、こちらも楽しみだ。
  世界にはばたく藤田真央、そのことばから元気をもらうことができた。




posted by 伊熊よし子 at 22:43 | 日々つづれ織り

辻井伸行×三浦文彰

  コロナ禍で、まだコンサートがすべて開催されることにはなっていないが、それでも少しずつナマの演奏を聴く機会が増えているのは確かだ。
  6月4日から9日まで、辻井伸行と三浦文彰がアーティスティック・リーダーとして2018年に開始した「サントリーホールARKクラシックス」の今年のコンサートが行われ、私は6月9日の最終公演を聴きに行った。
  プログラムはオール・ベートーヴェン。ヴァイオリン協奏曲とピアノ協奏曲第5番「皇帝」で、若手精鋭を集めたARKシンフォニエッタがオーケストラの演奏を担う。
  辻井伸行と三浦文彰のこのふたつのコンチェルトはこれまでも何度か聴く機会に恵まれてきたが、今回は三浦文彰が自身のコンチェルトでは弾き振りを行い、辻井伸行のコンチェルトではオーケストラの指揮を担当した。
  やはり何度も回数を重ねると、経験がものをいうのだろうか。三浦文彰の指揮は格段に成長し、弾き振りも「皇帝」の指揮も、実に慣れた感じで自然体。
  もちろん辻井伸行とはよき共演相手ゆえ、呼吸の合い方もとても自然で息がぴったり。
  アンコールに演奏された辻井のベートーヴェン「月光」の第1楽章で幕を閉じ、この夜はベートーヴェンすばらしさを体感することができた。
  この公演評は、次号の「音楽の友」に書く予定になっている。
  
posted by 伊熊よし子 at 21:44 | 日々つづれ織り
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