若手ヴァイオリニストの服部百音が、「Ricital」(エイベックス、6月30日発売予定)と題する新譜を作り上げた。ここにはいまの彼女のすべてが注ぎ込まれ、その集中力と緊迫感と音楽に対する熱き思いに一瞬たりとも耳が離せない。
その新譜に関する話を聞くため、Zoomインタビューを行った。
服部百音の演奏は、彼女が11歳のときから聴き続けているため、早いものでもう10年になる。最初から「百音ちゃん」と呼んでいるため、なかなか「さん」付けで呼ぶことは難しい。
今回のアルバムはプロコフィエフのヴァイオリン・ソナタ第1番からスタートし、エルンストの「夏の名残のバラ」、シマノフスキの「夜想曲とタランテラ」、ショーソンの「詩曲」と続き、最後はラヴェルの「ツィガーヌ」でフィナーレを迎える。ピアノは多くのヴァイオリニストと共演している江口玲である。
その選曲の理由、各々の作品に関して、録音の様子、さらにロシア作品についてなど、幅広い話を聞くことができた。
このインタビューは、次号の「ぶらあぼ」に掲載される予定である。
彼女は以前のショスタコーヴィチの録音に関して話を聞いたときも、今回のプロコフィエフにおいても、本当にロシア作品が好きなんだなあと強く感じる。
いまはロシア語も勉強しているそうで、その息の長いフレーズが音楽と共通していると語っていた。
もう10年間も演奏を聴き続け、インタビューもしていると、彼女の成長の様子がひしひしと伝わるが、近年は説得力のある話し方に変貌し、演奏も聴き手を一気に引き付ける強烈なオーラを発するようになった。
今年は、リサイタルとコンチェルトが数多く組まれている。その成長の証に触れる機会が多そうで、ひたすら楽しみ。