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ヴィキングル・オラフソン

  いま、世界がもっとも熱い視線を送っているピアニストが、ヴィキングル・オラフソンではないだろうか。
  数年前、突如すい星のごとくアイスランドから国際舞台へと飛翔したヴィキングルは、いまや各地のピアノ・ファンをとりこにしている。
 来日のたびに演奏を聴いてきたが、この12月にヴァイオリンの庄司紗矢香とのデュオで再び来日し、コロナ禍の2週間滞在を経て、リサイタルにこぎつけた。
  12月23日には今回の日本ツアーの最終日をサントリーホールで迎えたが、J.S.バッハのヴァイオリン・ソナタ第5番、バルトークのヴァイオリン・ソナタ第1番、プロコフィエフの「5つのメロディ」、ブラームスのヴァイオリン・ソナタ第2番というこだわりのプログラムで底力を発揮。庄司紗矢香との絶妙の息の合わせ方に、両者の絆の深さを感じさせた。
  先週の土曜日には、ヴィキングルにインタビューすることができた。このインタビューは、「音楽の友」の3月号に掲載される予定である。
  以前、「ぶらあぼ」でメール・インタビューを行ったときにも、実にていねいな答えを戻してくれたが、今回の対面インタビューでは、より率直に、かなり雄弁に、そして実に楽しそうにインタビューに応じてくれた。
  ヴィキングルはその演奏と容貌から結構とんがった人だと想像しがちだが、素顔はまったく逆。おだやかで話好きで、礼儀正しく、にこやかである。
  日本にすごく惚れ込んでいて、毎年のように来日し、今回も2週間隔離もなんのその、「もっともっと日本が好きになったよ」とのこと。
  彼は音楽もそうだが、細かいところにこだわるタイプで、日本のお寿司のわさびの使い方などに言及。職人の手先にまで目を配り、その話に熱が入ることといったら…。
  リサイタルは集中力と緊迫感がみなぎるもので、すばらしい感動をもたらしてくれた。
  今日の写真は、インタビュー後の1枚。とてもスリムで、手と足がものすこく長い。もちろん指も長く、その美しい指から紡ぎ出される音は1音1音がとてもクリアで、これまで聴いたことのないような個性的な響きを備えている。

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posted by 伊熊よし子 at 22:10 | アーティスト・クローズアップ
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