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ショパン国際ピアノ・コンクール

  今秋、10月にワルシャワで開催されることになっていた第18回ショパン国際ピアノ・コンクールが、新型コロナウイルスの影響を考慮し、1年延期すると発表された。
  主催する国立ショパン研究所によると、各国からの出場者、観客などの安全を十分に確保できない可能性があるとして延期に踏み切ったという。
  ショパン国際ピアノ・コンクールは1927年に第1回が行われ、5年に一度ショパンの生地ワルシャワで開かれてきたが、第2次世界大戦で中断したことがある。
  本来は、この4月にワルシャワで予備選が行われることになっており、それが9月に延期されていた。だが、それも不可能だと判断されたのだろう。
  コンクールは年齢制限が設けられているものの、来年は年齢制限を超えても出場でき、すでに完売となっているチケットも有効だそうだ。
  日本人を含む164人が予備選に参加することになっており、私のよく知っている若手ピアニストたちも参加を希望している。世界中の参加者が今秋に照準を合わせて日々練習を重ねてきたわけだから、きっと来年までモチベーションを維持するのが難しくなるに違いない。
  でも、なんとかこの時期を乗り越えて、ぜひ来年は大舞台で実力を発揮してほしいと願うばかりだ。
  写真は、ジェラゾヴァヴォーラのショパンの生家に建つショパン像。

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posted by 伊熊よし子 at 22:34 | 情報・特急便

オレンジソースとジャム

  いまは外出自粛のため、お料理のレシピをいろいろ研究している。
  学研とカワイの冊子「あんさんぶる」のアーティストレシピと、「音楽の友」の名曲レシピの準備である。
  先日、下の姉が湯河原のフレッシュオレンジを送ってくれた。
  姉いわく「オレンジといっても、甘夏みかんのようだけど」ということば通り、確かに甘夏のような感じだ。
  もちろん最初はナマで食べてみたが、みかんを眺めているうちに、「そうだ、オレンジソースとジャムを作ろう」と思い立ち、早速トライ。オレンジソースは白ワインや蜂蜜、バター、ブイヨンなどを入れ、少しだけ煮る。
  オレンジジャムはグラニュー糖ではなく、近所の自然食品店で見つけたてんさい含蜜糖を加えて作ってみた。
  湯河原の甘夏みかんは自然な味わいで、酸っぱすぎず、甘すぎず、バランスのとれたジューシーな味覚。いろんなレシピに変化し、外出自粛の食卓を彩ってくれる。
  今日の写真は、ある日のランチ。メカジキのムニエルにオレンジソースを添えてみた。付け合わせは具沢山のポテトサラダ。
  もう1枚は、オレンジジャム。
  両方ともなかなかおいしくでき、自画自賛(笑)。
  今月のアーティストレシピと名曲レシピのアイデアも、そろそろ煮詰まりそうだ。

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posted by 伊熊よし子 at 22:03 | 美味なるダイアリー

ベートーヴェンゆかりの家 5

  ベートーヴェンの家の第5回は、ボンの生家。ここは世界最多のベートーヴェン・コレクションを備えた記念館で、ベートーヴェン・ハウスと呼ばれている。
  ボン市内の中心に位置するボンガッセ20番地にあり、ボンとウィーン時代の楽譜、手紙、楽器、肖像画、文書など、ベートーヴェンのオリジナル資料が150点以上展示されている。
  現在、ベートーヴェン・ハウスはふたつの建物からなり、1889年には取り壊しの危機に遭遇したが、ボン市民の有志12人がベートーヴェン協会を設立して建物を買い取り、修復して記念館にしたという。その後、1944年10月18日の爆撃では、当時の大家が身を挺して家屋を守り、この建物は無事に戦禍を逃れたというエピソードも伝えられている。
  この建物の3階右側の屋根裏部屋はベートーヴェンの生まれたところで、ベートーヴェンの像が置いてあり、以前は小さな部屋だったが、現在は後方部分が増築された。
  中庭にはベートーヴェンのふたつの像が置かれ、隣接した室内楽ホールのいちばん上の窓からは、この像を眺めることができる構造となっている。
  ベートーヴェンは21歳までボンで暮らし、その後ウィーンに移った。ボンでは選帝侯や貴族など、ベートーヴェンの才能を高く評価し、経済面と精神面の両方で支援を惜しまない人が多かった。ボヘミア出身のワルトシュタイン伯爵もそのひとり。ベートーヴェンがハイドンに師事するためウィーンに出発するとき、「たゆまない努力をもって、モーツァルトの精神をハイドンの手から受け取りたまえ」という有名なことばを贈っている。
  ベートーヴェンはその生涯に32曲のピアノ・ソナタを残し、それらはピアニストにとってバイブルとも称される作品となっているが、第21番「ワルトシュタイン」はこのフェルディナント・ワルシュタイン伯爵に献呈された作品である。
  作曲は1803年から翌年にかけて行われ、1804年夏に完成を見た。このころベートーヴェンの創作は飛躍の時期を迎え、ヴァイオリン・ソナタ「クロイツェル」、交響曲「英雄」、ピアノ・ソナタ「熱情」、歌劇「フィデリオ」などが次々に生み出され、独自の様式を築き上げている。「ワルトシュタイン」は中期の到来を告げる傑作で、壮麗な技巧と雄大な構図、豊かな抒情性を備えている。
  第1楽章は印象的な8分音符和音のppの刻みに始まり、煌めくような第1主題が高音域に現れ、第1主題の3つの主要素が提示されていく。やがてドルチェ・エ・モルト・リガートと指示されたコラール風の第2主題が登場、ふたつの主題の対照性を見せる。
  第2楽章は巨大な第1楽章と次なるロンドをつなぐ美しい楽章で、ためらうようにうたわれる主題がやがて力強い歌となり、それらが対話風に拡大されてロンドへと流れ込む。
  第3楽章はボン地方の民謡からとられたとされる素朴で幸福感あふれるロンド主題が全編を覆い、それが幾重にも様相を変化させ、至難な技巧を盛り込んでコーダへと進む。
  生涯を通じて常に新たな表現方法を探求し続けたベートーヴェンが、ピアノ・ソナタにおける様式の改革をもたらしたとされる作品が「ワルトシュタイン」。斬新かつドラマティックで、野心的な冒険心を感じさせるソナタとなっている。
  写真は、生家の外観。以前は左側だけが見学可能だったが、現在は右側部分も入館でき、内部にはデジタルコレクションもあり、ベートーヴェンの生涯を俯瞰することができる。
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  中庭から見た生家。ここからのながめは、ベートーヴェンの時代をほうふつとさせる。
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  中庭に置かれたベートーヴェン像。
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  同じく、中庭に置かれたベートーヴェンの絵。ガラスケースのなかに保存されている。
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  ボンのベートーヴェン・ハレ(コンサートホール)の前庭に置かれたベートーヴェンの現代彫刻。
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posted by 伊熊よし子 at 17:06 | 麗しき旅の記憶
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