2020年01月11日
ニュウニュウ
若きピアニスト、ニュウニュウは会うたびに大きな成長を見せ、驚くばかりだ。
私は11歳のころから取材を続けているが、2018年9月に新譜をリリースし、そのときに久しぶりに会ったら身長180センチを超える大人のピアニストになっていて、いやはや年月の経つのは早いとビックリ。
「久しぶりに来日したら、みんなに”背が伸びたねえ”といわれ、驚きの声ばかり。僕自身はちっとも変っていませんが、子どものころに会った人は僕を見てビックリするみたいですよ」
今回は1年半ぶりだったため、そう驚きはしなかったが、もっとも変化していたのはインタビューに対する受け答えのすばらしさである。
ニュウニュウはとても礼儀正しく、どんな質問にもことばを尽くしてしっかり答えてくれるが、今回はいずれも精神性の高さを示す適格な返答で、大きな成長を印象づけた。
このインタビューは、次号の「音楽の友」に掲載される予定である。
もっとも印象深かったのは、ごく幼いころから「神童」といわれ、世界各地で演奏してきたことに対する自分の気持ちを率直に表現したこと。
「とても複雑な人生で、ことばでは表現できないほど難しいことがあり、辛かった」と話す。
でも、いまは各地で演奏することにより、音楽で人々とのコミュニケーションがとれることに大きな意義を感じているそうだ。
いろんなことを聞いたが、最後にいわれたひとことが、私の脳裏に深く刻まれることになった。
「デビュー以来、ずっと温かくサポートをしてくれて、本当に感謝しています。僕はデビュー10周年を超え、また新たなる10年、20年を見据え、前向きに生きていきたいと思っています。10年後、20年後もずっと応援してくださいね」
いやあ、困った。20年後…、なんと返事をしたらいいのだろうか。仕事をしているのか、生きているのかもわからない(笑)。
若いアーティストにこういわれちゃうと、返答に窮する。
一応、「健康に気をつけ、頑張ってみます」と答えておいたが、こんなことをいわれたのは初めてゆえ、いまでもずっとそのことばが頭から離れない。
今日の写真は、インタビュー中のニュウニュウ。う〜ん、印象に残る日だった。
posted by 伊熊よし子 at 22:49
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