2019年11月19日
コンスタンチン・リフシッツ
ロシア出身の実力派ピアニスト、コンスタンチン・リフシッツは、近年、樫本大進と組んだベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全曲演奏ですばらしい演奏を披露したことで知られる。
その彼が2020年のベートーヴェン生誕250年のメモリアルイヤーに、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全32曲を首都圏8会場で演奏するというシリーズを行うことになった。
すでに、フランスのアルファレーベルに全曲録音を行っているという。
題して「ベートーヴェンへの旅」。
先日、その記者会見があり、詳細が発表された。
4月25日(よこすか芸術劇場)、26日(神奈川県立音楽堂)、29日(フィリアホール)、5月2日(狛江エコルマホール)、3日(武蔵野市民文化会館小ホール)、4日(東京文化会館小ホール)、6日(所沢ミューズアークホール)、8日(ウェスタ川越大ホールという予定が組まれている。
各ホールとも、異なるソナタが3〜5曲組まれ、それぞれがバランスよく配置されている。
そのシリーズが行われることになった理由、プログラムの経緯、各々のホールとの連携、ソナタの配分などが発表され、リフシッツの演奏(ソナタ第20番第1,第2楽章)後に、彼自身の話も紹介された。
リフシッツは、「ベートーヴェンは人の心から心へとつなげることができる作曲家で、ピアノ・ソナタは宗教的に愛されている作品。今回の全曲演奏の旅では何かが起き、聴き手とともに違った世界へと旅することができると思う」と語った。
記者会見後、マスターインタビュー(代表インタビュー)をすることになり、リフシッツと久しぶりの再会を喜び合った。
このインタビューでは、主として作品論が中心となり、リフシッツが語る各ソナタの解釈がとても面白かった。
原稿は、ホールの冊子、情報誌などをはじめ、さまざまな媒体に書き分けすることになりそうだ。
今日の写真は、ベートーヴェンのシリーズについて話すリフシッツ。彼の話は、とても哲学的で、思慮深く、内容が濃い。
インタビューで、私が作品に関して質問すると、「きみのその質問に答えるためには、1曲のソナタで約1日かかる。だから、32日かかっちゃうよ」といって笑っていた。
posted by 伊熊よし子 at 23:11
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