2019年10月11日
グザヴィエ・ドゥ・メストレ&ルセロ・テナ
フランス出身で、ウィーン・フィルのソロ・ハーピストも経験しているハープのグザヴィエ・ドゥ・メストレが、「スペインの至宝」と称されるカスタネットのルセロ・テナと、10月8日に紀尾井ホールでデュオ・リサイタルを行った。
このリサイタルに関しては、当初からチラシ原稿やプログラム原稿を担当してきた。
メストレには以前インタビューをしたことがあり、テナの演奏は「ラ・フォル・ジュルネ」で聴いたことがある。
プログラムはアルベニス、グリーディ、ソレール、タレガ、ファリャなど、スペイン色が濃厚。ほとんどがメストレの編曲によるもので、彼が旋律と伴奏を何い、そこにテナがリズムを刻んでいく。
メストレは自身の編曲ということもあり、全曲暗譜。ハープのみの演奏もあり、以前より一段とテクニックと表現力がアップした上質な演奏を聴かせる。
テナはハープの横に立ち、両手を前に出してハープの響きに合わせてカスタネットを鳴らす。この技法がすばらしく、会場全体がため息を漏らすほどである。
カスタネットからこんなにも饒舌で深い表現力と躍動感に満ちた音楽が生まれるとは、驚きである。「ラ・フォル・ジュルネ」で初めて聴いたときも衝撃だったが、今回のステージではまさにこの楽器のイメージをくつがえす響きを聴くことができ、カスタネットの幅広い可能性を耳にする思いだった。
この日は、コンサートが終わってから楽屋でふたりにあいさつをし、すぐにタクシーに飛び乗ってフジテレビまで行き、22時半からベルリンの樫本大進に電話インタビューを行った。
来春来日のベルリン・フィルのことを聞くインタビューである。
真夜中に帰宅したが、九州出張から休みがないため、心身ともに疲弊してしまった。
少し、からだを休めないとダメみたい…。
今日の写真は、終演後のルセロ・テナとグザヴィエ・ドゥ・メストレ。心に響く演奏をありがとう!!
この公演評は公明新聞に書く予定である。
posted by 伊熊よし子 at 23:31
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