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エドガー・モロー

  若手演奏家は、1年経つとその様相がガラリと変貌していることがある。
  フランスの次世代のチェロ界を担う逸材、エドガー・モローも、前回会ったときは初々しい少年のような雰囲気をたたえていたのに、今日会ったら、すっかり自信がみなぎった大人のチェリストになっていた。
  「あらあ、ちょっと会わない間にすっかり大人の音楽家になっちゃって。その自信はどこから来るの?」
  と聞いたところ、答えは前回と同様、真摯なものだった。
 「いろんな人と出会い、いろんな場所で演奏し、そのすべてが僕にとって”学びの場”となっているからです。自信があるように見えてうれしいですが、まったく自分では意識していないんですよ。無意識のなかでの成長なのでしょうか」
  ウーン、すばらしい答え。
  モローは、オッフェンバックのほとんど演奏される機会に恵まれないチェロ協奏曲《軍隊風》と、フリードリヒ・グルダが作曲したチェロ協奏曲という珍しい作品を組み合わせた録音をリリースした(ワーナー、輸入盤)。
  オッフェンバックに関しては、今回の来日時に東京都交響楽団と共演し、10月2日にコンサートを行う(日本初演・東京芸術劇場)。今日は、そのリハーサルが終わった後にインタビューを行った。
  モローはオッフェンバックの作品についてさまざまなことを話し、このコンチェルトを演奏できることがうれしくてたまらないようだった。加えて、グルダのコンチェルトに関しても、楽しそうな表情を浮かべながら話してくれた。
  私はグルダに1度だけインタビューをしたことがあり、いまでもそのときの強烈な印象が残っているため、それをちょっと話したら、「えっー、本当。グルダに会ったの?」とそのときの様子を聞きたがった。
  モローとは、いつも対話が弾む。彼はこちらの話にもきちんと耳を傾け、自分だけが話すのではなく、対話を好むからだ。
  このインタビューは、「日経新聞」に書く予定にしている。
  10月3日には、王子ホールでバッハの無伴奏チェロ組曲全曲演奏会が開かれる。なんと、エドガーは、10歳のときにこれらの作品を全曲弾けるようになったとか。
 「いまは、もうちょっと成熟した演奏ができると思うよ」と笑っていた。リサイタルが楽しみである。
  今日の写真は、インタビュー後のワンショット。「リラックスした感じでね」といったら、こんなポーズになりました。写真から彼の雄弁な語り口が聞こえ、熱い演奏が聴こえてくるようでしょ。

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posted by 伊熊よし子 at 23:48 | クラシックを愛す
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