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クリムトのスカーフ

 私は音楽とともに美術も大好きで、よく海外出張のときなどには、時間ができると美術館巡りをする。
 以前、ウィーンの分離派会館(セセッション館)ではグスタフ・クリムトが制作した有名な壁画「ベートーヴェン・フリース」を鑑賞し、魂が吸い取られるようなえもいわれぬ衝撃と感銘を受けた。
  そのときにショップで記念に購入したのが、「ベートーヴェン・フリース」の一部をデザインしたスカーフ(白)である。
  そして先ごろ、東京都美術館でクリムト展が開催され、またまたクリムトの絵に会いにいってきた。
  この展覧会は連日ものすごい人が訪れ、押すな押すなの大盛況。あまりの人の多さにひとつの絵をじっくり観るということは困難だったが、それでもクリムトのすばらしさに触れ、またもや深い感動を得た。
  今回、記念に購入したのは、やはり「ベートーヴェン・フリース」をデザインしたスカーフ(赤)。
  ふたつともシルクで、オーストリア製。かなりずっしりとした質感のある、大ぶりのスカーフである。
  薄着のときに巻くのはちょっと難しく、秋のジャケットや冬のコートに向いている感じだ。
  でも、眺めているだけで、脳裏に「ベートーヴェン・フリース」の偉大な絵が浮かんできて、心が豊かになる。
  今日の写真は、その紅白のスカーフ。今年の秋から冬にかけて、私の必須アイテムになりそう。

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posted by 伊熊よし子 at 21:58 | 麗しき旅の記憶

日下紗矢子

  ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団は、東ベルリンの中心に位置するコンサートホールを拠点に活動を展開しているオーケストラである。旧称は、ベルリン交響楽団。
  7月にエリアフ・インバルとともに来日し、日本ツアーを行ったばかり。そのコンサートマスターを2008年から務めているのが、日下紗矢子である。彼女は、2009年に実力が評価され、指揮者なしのベルリン・コンツェルトハウス室内オーケストラのリーダーにも就任した。
  さらに、2013年には読売日本交響楽団のコンサートマスターにも就任し、2017年からは特別客演の形で参加している。
  ソロ活動も多く、年に何度もヨーロッパと日本を往復する生活だ。
  そんな超多忙な日下紗矢子にインタビューを行い、ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団と室内オーケストラの現在の様子、コンサートマスターという重責を担うこと、アメリカからヨーロッパに渡る決意をしたこと、ベルリンでの生活、子どものころからのヴァイオリンとの付き合い方、メンバーたちとのコミュニケーション、そして新譜についても聞いた。
  このインタビューは、「intoxicate」に書く予定になっている。
  彼女はさまざまなポジションを抱え、さぞ大変だろうと思ったが、そんな重責を楽々とクリアし、仲間と音楽することをめいっぱい楽しんでいる感じ。ゆったりとした語り口、おだやかな表情が実に魅力的で、ちっとも大変そうではない。
  こういう人だから、重要なポジションを任せておけるのね、と感心してしまった。
「私、大変なことがあると、すぐに寝るんです。5分あれば、コロッと眠れる。何があっても寝れば大丈夫」
  なるほどねえ、寝て忘れるタイプなんだ。最高じゃないですか。
  新譜は、「日下紗矢子&ベルリン・コンツェルトハウス室内オーケストラ」グリーグ:ホルベルク組曲、弦楽四重奏曲第1番(弦楽合奏版/日下紗矢子編)、シベリウス:ヴァイオリンと弦楽のための組曲(2019年秋リリース  キングインターナショナル)。
  その録音の様子や選曲などについて聞いたが、もっとも大切なのは本番に対するみんなの集中力だという。
  さらに今冬はベルリン・コンツェルトハウス室内オーケストラとの来日公演も組まれ(12月6日 フィリアホール、9日 東京文化会館小ホールほか)、同オーケストラのリーダーとして10年目の絆の深さを披露する。
  今日の写真は、やわらかな笑みをたたえながらインタビューに答える日下紗矢子。

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posted by 伊熊よし子 at 23:12 | 日々つづれ織り

ダン・タイ・ソン

  ピアニストのダン・タイ・ソンが、10月にリサイタル・ツアーを行うことになった。
  スケジュールは、10月5日(大分・グランツたけた)、6日(北九州・響ホール)、10日(武蔵野文化会館)、13日(福島市音楽堂)、15日(愛知県芸術劇場)、16日(紀尾井ホール)。
  そのリサイタルに関し、さまざまな媒体に記事を書き分けるため、代表インタビューを行った。
  今回は2種類のプログラムが用意され、Aプロは前半がシューベルトのピアノ・ソナタ第15番「レリーク」、ショパンの3つのワルツ、同マズルカ風ロンド、後半がパデレフスキの4つの小品、ショパンの「舟歌」「ボレロ」「バラード第1番」となっている。Bプロは、前半のシューベルトだけが変わり、ドビュッシーの「前奏曲集より」6曲が組まれている。
  ダン・タイ・ソンには久しぶりに会ったが、とてもリラックスし、余裕があるように見え、けっしてそれを声高にはいわないものの、自信が感じられた。
  インタビューではプログラムの全体の構成、ひとつずつの作品に関して、それぞれの曲に対する思い出など来日公演に関することが中心となったが、いまのダン・タイ・ソンの心身の充実をぜひとも知りたかったため、あらゆる角度から質問を試みた。
  彼は昔からそうだが、いずれの質問にもきちんとことばを尽くして答え、時折ユーモアを交え、あちこちに日本語を織り込みながら、ゆったりと話していく。
  近年、ダン・タイ・ソンは教える仕事が増え、「いまは音楽院で教える以外にも、来年のショパン・コンクールに向けて教えてほしいという若いピアニストがたくさん訪れ、とっても忙しいんですよ」と、いっていた。
  当初、私はこれほど彼のお弟子さんたちが、コンクールで好成績を残すとは想像しなかった。
  よくダン・タイ・ソンの教授法を知っている人によると、その教授法はすべて弾きながら教えるそうで、生徒がもってくる作品がたとえ初めて見る楽譜でも、ちょっと眺めただけですぐに弾けてしまうそうだ。
  それゆえ、生徒と一緒になって演奏しながら曲を深めていけるとか。
 「ショパン・コンクールを受けたいという若手ピアニストは、年々若くなっています。私のところにくるのは、14歳とか15歳とか、本当に若い人ばかり。 あるとき、13歳と聞いたときには、びっくりしましたよ。でも、みんなとても才能豊か。そしてショパンを愛しています。ですからそれぞれの個性を尊重し、才能がいい方向に伸びるよう、最善を尽くします」
  ダン・タイ・ソンの演奏は、いまや強い説得力をもつ、ピアノ好きをうならせるような巨匠性を備えたものとなった。今回のリサイタルも、いまのダン・タイ・ソンの充実を示すものになるに違いない。
  記事は、そんな彼のピアニズムがどこからか聴こえてくるような文章にしたいと思う。
  今日の写真は、インタビュー後の1枚。以前より体重が増え、おだやかな表情にゆったりとした雰囲気が感じられる。

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posted by 伊熊よし子 at 22:54 | マイ・フェイバリット・ピアニスト
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