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ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団

 市民の手で作られたオーケストラとしては世界最古で、創設275年を超えるライブツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団が来日中である。
 今日は、第21代カペルマイスターのアンドリス・ネルソンス、ソリストとして日本ツアーに参加しているヴァイオリンのバイバ・スクリデ、ジェネラル・ディレクターのアンドレアス・シュルツ、招聘元のKAJIMOTO代表取締役社長の梶本眞秀の各氏による記者会見が行われた。
 ネルソンスと同オーケストラとのコンビによる来日公演は初めてとなり、1961年4月に東京文化会館のこけら落としのコンサートから26回目の来日を数え、すでに200以上の公演を行っている。
 今回は5月27日(東京文化会館)、28日(サントリーホール)、29日(サントリーホール、クローズドコンサート)、30日(サントリーホール)、6月1日(兵庫県立芸術文化センター)、2日(ザ・シンフォニーホール)という6公演が組まれ、ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番、ブラームスの交響曲第1番、チャイコフスキーの交響曲第5番、マーラーの「さすらう若人の歌」から、歌曲集「子供の不思議な角笛」から(ソリストはトーマス・ハンプソン)というネルソンスとオーケストラの得意とするプログラムが組まれている。
 そして30日は、ネルソンスとライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団がDGにシリーズとして録音を行っているブルックナーの交響曲のまだ録音を行っていない第5番が登場する。
 記者会見では、同オーケストラのカペルマイスターとして歴史と伝統を守りながらも、新たな時代に向けて現代作曲家の作品を取り上げていく姿勢を打ち出していた。
「このオーケストラを任されて、夢がかなった思いです。と同時に、責任も感じています。この独特の音質を未来に引き継いでいかなくてはならない。ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の音楽は、指揮しているとからだが溶けていくような感覚にとらわれるときがあります。まるで蜂蜜を味わったときのように…。えもいわれぬやわらかな響きが特徴で、ブラームスは大きな船に乗っているような心地よさです。ブルックナーの交響曲全曲録音は2016年6月から開始しましたが、オーケストラにとって歴史上とても大切なレパートリーだと思っています」
 ネルソンスは非常に雄弁で、ブラームスやショスタコーヴィチに関してもさまざまな面から作品論を語り、バイバ・スクリデもショスタコーヴィチのコンチェルトを信頼できる指揮者&オーケストラと何度も共演することができ、幸せだと語った。
 ネルソンスとスクリデは、ともにラトヴィアのリガ出身。旧ソ連時代、非常にきびしい音楽環境のもとで学んだが、それがいまはとても役に立っているという。
 5月30日には、ブルックナーの交響曲第5番を聴きに行く予定である。
 今日の写真は記者会見の様子と、ネルソンス&スクリデ。

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posted by 伊熊よし子 at 18:47 | 親しき友との語らい

たけたの美味なる会食

 先日のアルゲリッチ音楽祭のあとの食事会に続き、グランツたけたのプレセミナー、マイスキーのコンサート後にも、関係者が一堂に会し、食事会が行われた。
 大分は、本当に海の幸も山の幸にも恵まれていて、今回担当者が選んでくれたレストランは、ビストロ&クッチーナ・シャンピというこの土地の人気店。6人でコンサートの成功を祝し、ゆっくりとおいしい食事をいただいた。
 グランツたけたの人たちは、みなさん本当に熱心で、聴衆も温かい人たちが多く、久しぶりに幸せな気分に浸ることができた。
 写真は、シェフが腕をふるったお皿の数々。味もさることながら、盛り付け、色合いもまるで絵画のよう。地元の食材をふんだんに使用し、ひとつずつ「これはどこどこのお魚、野菜、お肉」と説明してくれる。
 舌と目で楽しむことができ、とても豊かな気持ちになった。

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posted by 伊熊よし子 at 22:32 | 麗しき旅の記憶

ミッシャ・マイスキー チェロ・リサイタル

 5月19日、ミッシャ・マイスキーのチェロ・リサイタルが竹田市総合文化ホール、グランツたけた 廉太郎ホールで開催された。ピアノは長女のリリー・マイスキーである。
 プログラムは、前半がマルチェッロ/バッハ編曲:アダージョ チェンバロ協奏曲BWV974より第2楽章、バッハ:ラルゴ(アリオーソ)チェンバロ協奏曲第5番BWV1056より第2楽章、モーツァルト:パミーナのアリア「愛の喜びは露と消え」(歌劇《魔笛》より)、そしてブラームスのチェロ・ソナタ第2番。
 後半がチャイコフスキーの四季より10月「秋の歌」、同6つの小品より「感傷的なワルツ」、そしてショスタコーヴィチのチェロ・ソナタ ニ短調。
 私が担当したプレトーク(プレセミナー)では、主としてブラームスとショスタコーヴィチの作品について触れ、マイスキーの生い立ちから生き方、音楽の方向性、素顔、エピソードなどを紹介した。
 実は、当日は雨模様で、プレトークを聴きにきてくれるお客さまはそんなに多くないのではないかとスタッフの方たちと話していたのだが、小ホールは開演前にすでに椅子をガンガン増やさなくてはならない状態となり、最終的には100人を超すお客さまがきてくれ、立ち見の人も出てしまった。
 私の持ち時間は40分。いつもの早口でさまざまな角度からマイスキーの音楽を紹介。みなさん、とても熱心に集中して聞いてくれ、終わってからそのままコンサートホールへと移動となった。
 写真は、プレトークの会場。

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 グランツたけたはとても美しい新しいホールで、音響がすばらしかった。最初は1階の中央あたりで聴き、後半は3階に移ったのだが、この階の音響が実に自然でまろやか。マイスキーの哀愁に富んだ歌心あふれる低弦の響きがステージからふわりと立ち上がってきて、そのえもいわれぬ美音に酔いしれた。
 写真は、ホールの外観。緑豊かな広大な敷地に、個性的な建物が映える。

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 ブラームスは、渋く内省的で情熱的な響きが全編を覆い、ショスタコーヴィチはまさにマイスキーの魂の叫びともいうべきヒューマンな演奏だった。
 当日の白眉は、アンコールの第1曲目に演奏された「荒城の月」(滝廉太郎作曲、寺嶋陸也編曲)。リリーのピアノが始まったときは、みんな何の曲だろうと耳を澄ませている感じだったが、チェロの主題が奏でられると、会場中がシーンと静まり返り、1音も逃すまいと集中力と緊迫感がみなぎり、そっと目がしらを押さえている人も多く、廉太郎ホールはまさしく新たな「荒城の月」で満たされていった。
 この「荒城の月」は、多くの人が「生きていてよかった」「死ぬほど感動した」というほどのインパクトの強さ。その後、マイスキーは鳴りやまぬ拍手に応えてサン=サーンスのオペラ「サムソンとデリラ」よりアリア「あなたの声に私の心は開く」、ドビュッシーの前奏曲集第1巻より第12曲「ミンストレル」、クライスラーの「愛の悲しみ」、バルトークの「ルーマニア民俗舞曲」、ラフマニノフの「ヴォカリーズ」と立て続けに演奏し、リリーとともに竹田の聴衆と一体となった。
 写真は、廉太郎ホール。

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 前日もそうだったが、この日もスタンディングオベーション。マイスキーは楽屋で「竹田のお客さまは、反応がすばらしい。みなさん、とても熱心で温かく、いつまでも弾いていたい気持ちになった」と絶賛。
 この日はプレトークのアンケートでもいい反応をいただき、コンサートは大成功。スタッフとみんなで喜び合った。
 今日の写真は終演後のマイスキーとリリー。彼は長い時間、ホールの外で待っていたファンにもサインをし、スタッフが用意したロビーのラトヴィアのグッズも写真に収めていた。

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posted by 伊熊よし子 at 23:09 | クラシックを愛す
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