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ルシエンヌ

 トランペット界に輝かしい新星が登場した。1999年生まれのフランス人、ルシエンヌである。
 2014年にパリ国立高等音楽院に入学したが、クラシック部門とジャズ部門に同時入学を許された初の生徒となった。
 ルシエンヌはパリのクレドール・コンクール、モーリス・アンドレ青年コンクールの両方で優勝をげ、17年ワーナー・クラシックスと契約。「ザ・ヴォイス・オヴ・ザ・トランペット」と題するアルバムでCDデビューを果たしている(輸入盤)。
 そんな彼女が7月13日にリサイタルを行い(武蔵野市民文化会館 小ホール)、7月17日から28日まではパトリック・ハーン指揮オーケストラ・アンサンブル金沢、ピアノの辻井伸行との共演で全国ツアーを慣行する。プログラムは、辻井との共演でショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第1番、さらにハイドンのトランペット協奏曲が組まれている。
 ルシエンヌはキュートな笑顔の持ち主で、インタビューでは一生懸命トランペットの魅力について語り、作品論や辻井伸行との共演への期待、さらに子ども時代からの楽器とのつきあい、新譜のことまでことばを尽くして話してくれた。このインタビューは、いま出ている「ぶらあぼ」の4月号に掲載されている。
 なんでも、ステージではいつも裸足で演奏するそうで、「その方が倍音を感じやすいんです」という。記事にも綴ったが、ルシエンヌはアメリカのトランペット奏者でヴォーカリストのチェット・ベイカーを尊敬しているそうで、彼女の音色もうたうような響き。やわらかく、弱音を重視し、けっして声高に叫ぶような音楽ではない。
 7月の日本ツアーが楽しみである。
 今日の写真は、インタビュー後の1枚。この楽器は、コンクールの賞品としてプレゼントされたものだそうだ。

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posted by 伊熊よし子 at 22:29 | アーティスト・クローズアップ

アンコールに魅せられて

 昨日と今日、コンチェルトの演奏後にソリストが弾いたアンコールに魅了されている。
 昨夜は、ファビオ・ルイージ指揮デンマーク国立交響楽団のコンサートで、ソリストのアラベラ・美歩・シュタインバッハ―がブルッフのヴァイオリン協奏曲を演奏した。
 ブルッフのコンチェルトはとても美しい第2楽章を備えた名曲。このコンサート・シリーズでは毎年プログラムのソリスト・インタビューを行っているため、彼女にもブルッフの作品の魅力を聞いていた。
 だが、私がアラベラの演奏に注目したのは、アンコールに演奏されたクライスラーの「レチタティーヴォとスケルツォ・カプリース」である。
 繊細で情感に富む彼女の弦の響きがサントリーホールの広大な空間にゆっくりと染み渡っていき、クライスラーとしてはとても珍しい無伴奏ヴァイオリン曲が、聴き手の心を潤した。
 次いで、今夜は東京文化会館にウラディーミル・ユロフスキー指揮ベルリン放送交響楽団を聴きに行った。ソリストはレイフ・オヴェ・アンスネスである。
 彼は昨年12月より右ひじの故障に悩まされ、今回のリサイタルをすべてキャンセルせざるを得なかった。しかし、コンチェルトだけは演奏可能ということで、当初のブラームスのピアノ協奏曲第1番からモーツァルトのピアノ協奏曲第21番に変更し、今夜のステージに立った。
 アンスネスは先月2月22日に、ベルリンでユロフスキー&ベルリン放送響との共演でこの作品を演奏して活動を再開。今回も曲目を変更して日本公演に臨んだわけである。
 もちろんそのモーツァルトはオーケストラとの呼吸もピタリと合い、かろやかで躍動感がある演奏で、ひじの故障を感じさせることなく、私は内心ホッとしたが、アンコールに登場したショパンの夜想曲第4番にすっかり魅了されてしまった。
 これは昨秋リリースされたショパン・アルパムに収録されている作品だが、ナマで聴くとアンスネスのショパンに対する深い敬愛の念が感じられ、その巨匠的なピアニズムに心打たれた。
 アンスネスには来週インタビューすることになっている。このショパンについても聞こうっと。
 
posted by 伊熊よし子 at 23:32 | クラシックを愛す

クリスティアン・アルミンク

 指揮者のインタビューは、とてもおもしろい。
 本人は音を出すことができず、オーケストラやソリストに演奏してもらわなければならないため、当然のことながら自身の音楽観を饒舌に語る人が多い。
 今日はウィーン生まれの指揮者、クリスティアン・アルミンクにインタビューを行った。
 彼は2003年から13年まで新日本フィルの音楽監督を務めていたから、日本にもファンは多い。片言の日本語も交え、楽しいインタビューとなった。
 現在はベルギー王立リエージュ・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督を務め、このコンビで6月から7月にかけて初来日を果たすことになっている。
 そのリエージュのオーケストラについて、子どものころからの音楽とのつきあい方、指揮者になるまでのいきさつ、日本のとのかかわり、得意なレパートリー、リエージュのオーケストラを今後どのような方向にもっていきたいかなど、さまざまなことを聞いた。
 彼は日本の数字の表記にとても興味をもっていて、「ベートーヴェンのシンフォニー第3番」というとき、「ダイサンバン」とそこだけ日本語になる。日本語をもっと覚えたいそうだ。
 ウィーンは音楽の都ゆえ、幼いころから数多くの偉大な音楽家の演奏を聴いて育ったというが、もっとも印象に残っているのはカラヤンのリハーサルを聴いたときだそうで、「どうしたらあんなにすばらしい音をオーケストラから引き出せるのか、本当に不思議だ」といっていた。
 アルミンクは和食も大好きで、いま一番ハマっているのは「広島のお好み焼き」。「もうたまらないおいしさ」と目がウルウル。あまりにもイメージが異なるため、大笑いしてしまった。
「もっと気取ったお料理が好きかと思いました」というと、「いやいや、私はウィンナシュニッツェルばかり食べているわけではないんですよ」といい、いまもっともおいしいウィーンのレストランは「Huth」だと教えてくれた。市の中心にある、おいしくてリーズナブルなお店だそうだ。ウィーンに旅したら、ぜひアルミンクお薦めの「Huth」へどうぞ。
 今日の写真は、インタビュー後のワンショット。「あっ、これいい写真だねえ」とご本人からOKが出ました。

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posted by 伊熊よし子 at 22:54 | クラシックを愛す
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