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徳永二男

 クラシックの演奏で使われる楽器は、弦楽器、管楽器、打楽器、鍵盤楽器などさまざまだが、それぞれの楽器の歴史や特性、秘密などについて、トークと演奏で綴るという人気シリーズを行っているホールがある。
 たましんRISURUホール(立川市市民会館)で、ヴァイオリンの演奏とナビゲーターを務めているのが徳永二男である。
 2014年9月からスタートしたこのシリーズ、毎回さまざまな楽器のゲストを迎え、徳永二男とのトークや共演を行ってきたが、2019年3月9日には第20回を迎え、ガラコンサートが予定されている。
 先日、この「楽器の謎!20」スペシャル・コンサートの話を聞くために、徳永二男にインタビューをした。話題がコンサートのことからいろんなエピソードまで広がり、笑いの絶えない時間となった。このインタビューはもうすぐ発刊される「ぶらあぼ」に綴った。
 からだが楽器という「声楽」を取り上げたときは、ゲストの中嶋彰子の指導により、聴衆が全員立って呼吸法を習ったとか。
 日本の楽器も登場し、「琴」のときは、パガニーニの「カンタービレ」をヴァイオリンと琴のデュオで演奏したという。
「ふだん演奏しているときとはまったく色彩感が異なり、新たな発見がありました」
 こう語る徳永二男は毎回いろんなことを学び、これまで知らなかったことにも出合い、非常に有意義だと笑顔で語っていた。
 今回は第20回という節目の回に当たるが、まだまだ取り上げていない楽器もあるため、続ける予定だそうだ。因みに、次回はトロンボーンだという。
 今日の写真はインタビュー中の徳永二男。このシリーズ、質問コーナーもあるため、会場が一体となり、和気あいあいの雰囲気に包まれるそうだ。

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posted by 伊熊よし子 at 22:26 | 情報・特急便

テオドール・クルレンツィス

 衝撃の演奏とは、まさにこういうことをいうのだろう。
 2月13日、サントリーホールで行われたテオドール・クルレンツィス指揮ムジカエテルナのコンサートは、近年まれにみるインパクトの強い演奏だった。
 プログラムはオール・チャイコフスキー。前半は「組曲第3番」、後半は幻想序曲「ロメオとジュリエット」、幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」。
 クルレンツィスは、黒のゆったりしたブラウスに黒のスパッツという、指揮者としては珍しいスタイル。とても動きやすそうだ。
 まさに冒頭からからだ全体をしなやかに動かし、ときにはげしく、またあるときは踊っているような様相で、タクトを持たずに指揮をする。
 その音楽は衝撃を通り越して、これまで聴いたことのないような新たなチャイコフスキーがあふれ出る。オーケストラは、チェロやチューバ以外は全員が立ったまま演奏するスタイル。
 1曲終わると、クルレンツィスは両手をグルーッと回し、上でバシッと止める。それに合わせてムジカエテルナも、弓や管楽器を真上に立てる。その見事なまでの美しい終わり方は、拍手喝采を招く。
 チャイコフスキーは稀代のメロディメーカーだが、彼らの演奏にかかると、躍動感と深い情熱と豊かな歌心が混然一体となって聴き手の心を揺さぶる。
 もっとも驚いたのは、前半が終わった途端にアンコールが始まったこと。コンサートマスターのアイレン・プリッチンがチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲ニ長調の第3楽章を弾き始め、さらにイザイのヴァイオリン・ソナタ第2番から第1楽章を演奏したのである。
 通常は前半が終わると、オーケストラがステージ上から去るのを見て、会場は休憩に入る。ところが、前半でアンコールが始まったため、聴衆はみな動けず、「ウワッ、何が始まったの」という感じ。
 そして後半は、クルレンツィスの独壇場。細部まで神経が張り巡らされたチャイコフスキーだが、けっして堅苦しくなく、新たな音楽体験をさせてくれる斬新さに満ちている。
 本当にすごい指揮者が登場したものだ。グスターボ・ドゥダメルの初来日のときも、新たな才能の出現に心の高揚を抑えきれなかったが、クルレンツィスの演奏も、だれかれかまわず「ねえねえ、聞いて。クルレンツィスがすごくて〜」と伝えたくなるインパクトの強さ。いやあ、まいりました、すさまじい才能。
 今後は、一瞬たりともその動向に目が離せない。新譜のマーラーの交響曲第6番「悲劇的」(ソニー)をもう一度聴きたくなった。
 今日の写真は、先日のトークイヴェントのときのワンショット。190センチあるそうな。

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posted by 伊熊よし子 at 23:02 | クラシックを愛す

クルレンツィス×ムジカエテルナ 初来日記念トークセッション

 いま、衝撃の演奏で世界を驚かせているテオドール・クルレンツィスが自身が創設したオーケストラ、ムジカエテルナとともに来日公演を行っている。ソリストは、これまた超個性的な演奏で知られるヴァイオリニストのパトリツィア・コパチンスカヤ。
 今日は彼らの初来日を記念したトークセッションが開催され、クルレンツィス、コパチンスカヤ、ペルミ・オペラ・バレエ劇場ゼネラル・プロデューサー兼ムジカエテルナ事務局長のマルク・デ・モニーの3人が登壇した。司会は編集者の若林恵。
 1時間半に渡り、今回のチャイコフスキー・プログラムについて、クルレンツィスの音楽論、コパチンスカヤの演奏論、デ・モニーの録音に関してなどの話が続き、みな非常に雄弁に語った。
 クルレンツィスはギリシャで生まれ、サンクトペテルブルクに留学し、イリヤ・ムーシンに師事。そのいきさつから、自身が目指す音楽、どのようにスコアを読むか、オーケストラからいかなる音楽を紡ぎ出すのが理想かなど、ことばを尽くして話した。
 これまで世界に衝撃を与え続けてきた録音を聴き、その言動などにも触れてきたが、そこではとてもカリスマ性に満ち、ちょっと常人ではない感じを受けていた。ところが、会見に現れたクルレンツィスは、「日本の聴衆はすばらしい。楽章の間で拍手が起きず、こんなに集中して聴いてくれたのは初めて。日本の文化や人々の様子にもとても感銘を受けている」と笑顔で話す。想像していた人物像とは異なり、いい意味で裏切られた感じ。
 こういう人は、ステージに立つとまったく違うんだろうな。
 明日は、サントリーホールで初めてナマの演奏に接することができる。いまからワクワクしてしまう。
 コパチンスカヤもとてもキュートな笑顔の魅力的な人で、声もかわいらしい。
 今回の4公演は、いずれも完売。すごい人気だ。
 写真は、トークセッションの様子と、終了後のふたりのショット。クルレンツィスって長身だよねえ。

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posted by 伊熊よし子 at 00:09 | 日々つづれ織り
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