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藤木大地

 以前インタビューしたカウンターテナーの藤木大地が、12月18日に紀尾井ホールで「愛のよろこびは」と題するリサイタルを開いた。
 これは同名の新譜のリリースを記念して行われたもので、ピアノは松本和将が担当。前半はシューマン「献呈」、ブラームス「永遠の愛について」、プーランク「美しき青春」をはじめとする抒情的な旋律を備えた美しい曲がうたわれ、後半には日本人の作曲家による歌曲も登場。カウンターテナーの醍醐味をたっぷりと披露するリサイタルとなった。
 藤木大地の歌声は、ナマで聴くと、力強さと情熱と柔軟性に満ちている。各曲は詩を大切に、ひとつひとつの音をていねいに紡いでいく歌唱法で、高音は幻想的な色合いがにじみ出る。
 約2時間に渡り、カウンターテナーの響きに身を委ねていると、どこか異次元の世界へと迷い込んだような不思議な感覚にとらわれる。
 アンコールの最後に「きよしこの夜」がうたわれ、最初は原詩でうたわれたが、次いで彼は「みんな一緒にうたいましょう」とジェスチャーで呼びかけ、ホールは聴衆の歌声で満たされた。
 なんと粋なフィナーレだろうか。藤木大地のプログラム構成に脱帽した。聴衆はみんな、「きよしこの夜」の旋律をハミングしながら帰路に着いたからである。
 次回はぜひ、ヘンデルのオペラ・アリアを聴いてみたい。
 
posted by 伊熊よし子 at 20:52 | クラシックを愛す
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