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ウィーン・フィル

 11月20日、フランツ・ウェルザー=メスト指揮ウィーン・フィルの来日公演を聴きにサントリーホールに出かけた。
 プログラムはモーツァルトのオペラ「魔笛」序曲で幕開け。ウィーン・フィルならではのまろやかで生き生きとした響きがホールを満たしていく。
 次いでラン・ランをソリストに向かえ、モーツァルトのピアノ協奏曲第24番が登場。ラン・ランは、以前アーノンクールからモーツァルトの神髄を学んだと語っているが、今回は弱音を重視し、モーツァルトの愉悦の音楽をあくまでも美しく情感豊かに歌心をもって奏でた。
 実は、ラン・ランは2017年11月のサイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルの来日公演のソリストに選ばれていたのだが、左手の腱鞘炎が治らず、キャンセルしていた。
 その前にハンブルクに滞在していたラン・ランに電話インタビューすることになり、あまりに元気がない声に驚いて、「体調が悪いの?」と聞いたところ、左手の具合が思わしくないといっていた。
 そして、ラトル最後のアジア・ツアーのソリストをキャンセルせざるをえなくなった。
 あれからずっと心配していたが、ようやくラン・ランはステージに戻ってきた。このモーツァルトは思慮深く、内省的で、以前のラン・ランとはかなり異なる演奏と化していた。ピアノが弾けない時期に、さまざまな思いを巡らし、音楽が変貌を遂げたに違いない。
 アンコールには、シューマンの「ダヴィッド同盟舞曲集」より抜粋が演奏された。
 後半はブラームスの交響曲第2番。非常に熱気あふれる演奏で、力強く生命力あふれるブラームスとなった。ウェルザー=メストも楽員も汗ぴっしょり。この熱演に拍手がやまず、アンコールは2曲演奏された。
 曲目はヨハン・シュトラウス2世のワルツ「南国のばら」とエドゥアルト・シュトラウスのポルカ・シュネール「テープは切られた」。
 やはりウィーン・フィルのシュトラウスの演奏は、心が高揚する。この夜はラン・ランの見事な復活と、ウィーン・フィルのシュトラウスで帰路の寒さも忘れるほどだった。
posted by 伊熊よし子 at 16:36 | クラシックを愛す
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