ブログ

辻彩奈&小林愛実

 アーティストのデビュー・アルバムや久しぶりの新譜のライナーノーツを書くことは、とても楽しい仕事である。
 最近書いた2枚のアルバムのライナーノーツは、事前にアーティストへのインタビューも行って彼女たちのレコーディングに対する思いも聞くことができたため、非常に意義深い内容となった。
 1枚は、2016年モントリオール国際音楽コンクールで第1位、併せて5つの特別賞を受賞したヴァイオリニストの辻彩奈のデビュー・アルバム「シベリウス:ヴァイオリン協奏曲」(ワーナー)。
 コンクールのライヴ収録で、サン=サーンスの「序奏とロンド・カプリチオーソ」、ストラヴィンスキーの「協奏的二重奏曲」というプログラムである。
 辻彩奈は1997年岐阜県生まれ。現在は、東京音楽大学に特別特待奨学生として在学中。凛とした涼やかな音色の持ち主で、性格も気風がいい。これからいかようにも伸びていく、将来性を感じさせるヴァイオリニストである。

y3085_R.JPG

 もう1枚は、デビュー当時から交流のあるピアニストの小林愛実の「ニュー・ステージ〜リスト&ショパンを弾く」(ワーナー)。
 22歳になった彼女の心機一転のアルパムで、14歳のときから聴き続けている私は、アメリカに留学して精神的にも人間的にも大きく成長した姿を演奏から聴き取った。

y3086_R.JPG

 いずれもインターナショナル契約の録音で、世界に飛翔するふたりの記念碑的なアルバムである。
 ライナーノーツを綴ると事前に音源が送られてくるため、何度も繰り返して演奏を聴くことになる。それゆえ、本盤が出来上がるころにはもう演奏がすっかり頭に入っていて、口ずさめるような感じになるから不思議だ。
 ふたりの目の前には大海原が広がっている。そこに果敢に漕ぎ出していく様子を見守りたい。
posted by 伊熊よし子 at 22:26 | クラシックを愛す
CATEGORIES
ARCHIVES
LINKS
PROFILE
検索ボックス