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ヤン・リシエツキ

 ポーランド人の両親のもとカナダに生まれたヤン・リシエツキは、10代前半からめきめきと頭角を現し、2011年、15歳のときにドイツ・グラモフォンと契約するという快挙を成し遂げた。
 以後、ショパン、シューマン、モーツァルトなどのアルバムをリリースし、若き才能を遺憾なく発揮している。
 今回の来日で久しぶりに会ったリシエツキは、22歳の輝かしいオーラを放つ国際的なピアニストに成長していた。
 最新録音は、「アンダンテ・スピアナートと華麗なるポロネーズ他〜ショパン:ピアノと管弦楽のための作品集」(ユニバーサル)。クシシュトフ・ウルバンスキ指揮NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団との共演である。
 昨日は彼にインタビューを行い、ショパンのこと、ここ数年の活動の様子、今回の来日プログラムの組み立て、次なるレコーディングなど、さまざまなことを聞いた。このインタビューは、次号の「intoxicate」に書く予定になっている。
 そして今日は、紀尾井ホールでリサイタルが行われた。
 プログラムは前半がショパンの「夜想曲」第15番、第16番、シューマンの「4つの夜曲」作品23、ラヴェルの「夜のガスパール」、後半がラフマニノフの「幻想的小品集」作品3、ショパンの「夜想曲」第19番と「スケルツォ」第1番という凝った構成。あまり演奏される機会に恵まれない作品も含まれ、そうした曲を紹介していくのが「ピアニストとしての自分の使命」だと語っていた。
 いずれもリシエツキの鍛え抜かれたテクニックと、みずみずしい音色と躍動感に満ちたリズム感が横溢する演奏だったが、やはり出色はショパンの「スケルツォ」第1番だった。
 リシエツキのショパンは、やはり血で奏でるといおうか、からだの奥から自然に湧き出てくるような音楽性に満ちている。彼はインタビューでも、ショパンの作品にまつわる舞曲の要素や、エディションに関しても雄弁に語った。
 こういう若き才能は、ぐんぐん成長し、変貌を遂げ、以前聴いたときとはまったく様相が変化していることが多い。それゆえ、またすぐにでも来日してほしいと思う。
 今日の写真は、インタビュー後のワンショット。髪型もすらりとした容姿も以前とは変わっていなかったが、顔つきがすっかり大人になり、国際舞台で活躍しているという自信にあふれた目をしていた。

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posted by 伊熊よし子 at 23:52 | アーティスト・クローズアップ
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