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辻井伸行

 昨年行われた「辻井伸行 音楽と絵画コンサート」が、今年は全国規模で開催されている。
 11月22日に長崎から始まり、全12公演が組まれ、今日は東京芸術劇場で行われた。
 このコンサートは、第1部が「人気の自作×フォトグラフ」となっており、辻井の自作が演奏され、スクリーンには彼の子ども時代からの写真や、海外での写真などが映し出される。
 第2部は「クラシックの名曲×著名絵画」となっていて、ドビュッシー、ラヴェル、ショパンの演奏が行われるなか、スクリーンにはルノワール、ドガ、ルドン、クレー、モネ、フェルメールの絵画が映し出される。
 この試みはふだんクラシックをあまり聴かない人々にも人気があるそうで、昨年初めて行った際、とても評判がよかったため、今年はツアーとして開催されることになったのだという。
 第1部では辻井伸行が曲の説明をしながら演奏を進め、第2部はトークなしで名曲を次々に奏で、聴衆はスクリーンに映し出される名画で目を楽しませ、同時に名曲で耳を楽しませた。
 今日は辻井伸行にリハーサル前に「家庭画報」の連載のインタビューを行い、このコンサートについて、先日のデビュー10周年の記念コンサートについて、10月にパリのシャンゼリゼ劇場で行われた公演についてなどを聞き、さらに2018年に向けての思いも話してもらった。
 これから辻井伸行のテレビ放映が3本続く。
 12月17日(日)よる9時から BSフジ「辻井伸行×パリ〜ショパンが舞い降りたよる夜〜」 2017年10月にパリ・シャンゼリゼ劇場で行われた公演に密着。ショパンゆかりの地も訪れる。
 12月24日(日)よる9時から BS朝日「奇跡のピアニスト辻井伸行〜世界遺産で弾く日豪友好の調べ」 2016年10月、アシュケナージ指揮シドニー交響楽団との公演を中心に、日豪友好の演奏会にも密着した。
 12月25日(月)よる9時から BS朝日「奇跡のピアニスト辻井伸行 デビュー10周年 感動と涙の全軌跡」 2017年11月に東京・サントリーホールで行われたデビュー10周年記念特別コンサートを中心に、これまでの資料映像とともに、この10年を振り返る。
 実は、この25日の放送に、ほんの少しだけコメントを依頼されて出演した。多分、10秒ほどでしょうね(笑)。
 
posted by 伊熊よし子 at 23:59 | 情報・特急便

ヤン・リシエツキ

 ポーランド人の両親のもとカナダに生まれたヤン・リシエツキは、10代前半からめきめきと頭角を現し、2011年、15歳のときにドイツ・グラモフォンと契約するという快挙を成し遂げた。
 以後、ショパン、シューマン、モーツァルトなどのアルバムをリリースし、若き才能を遺憾なく発揮している。
 今回の来日で久しぶりに会ったリシエツキは、22歳の輝かしいオーラを放つ国際的なピアニストに成長していた。
 最新録音は、「アンダンテ・スピアナートと華麗なるポロネーズ他〜ショパン:ピアノと管弦楽のための作品集」(ユニバーサル)。クシシュトフ・ウルバンスキ指揮NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団との共演である。
 昨日は彼にインタビューを行い、ショパンのこと、ここ数年の活動の様子、今回の来日プログラムの組み立て、次なるレコーディングなど、さまざまなことを聞いた。このインタビューは、次号の「intoxicate」に書く予定になっている。
 そして今日は、紀尾井ホールでリサイタルが行われた。
 プログラムは前半がショパンの「夜想曲」第15番、第16番、シューマンの「4つの夜曲」作品23、ラヴェルの「夜のガスパール」、後半がラフマニノフの「幻想的小品集」作品3、ショパンの「夜想曲」第19番と「スケルツォ」第1番という凝った構成。あまり演奏される機会に恵まれない作品も含まれ、そうした曲を紹介していくのが「ピアニストとしての自分の使命」だと語っていた。
 いずれもリシエツキの鍛え抜かれたテクニックと、みずみずしい音色と躍動感に満ちたリズム感が横溢する演奏だったが、やはり出色はショパンの「スケルツォ」第1番だった。
 リシエツキのショパンは、やはり血で奏でるといおうか、からだの奥から自然に湧き出てくるような音楽性に満ちている。彼はインタビューでも、ショパンの作品にまつわる舞曲の要素や、エディションに関しても雄弁に語った。
 こういう若き才能は、ぐんぐん成長し、変貌を遂げ、以前聴いたときとはまったく様相が変化していることが多い。それゆえ、またすぐにでも来日してほしいと思う。
 今日の写真は、インタビュー後のワンショット。髪型もすらりとした容姿も以前とは変わっていなかったが、顔つきがすっかり大人になり、国際舞台で活躍しているという自信にあふれた目をしていた。

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posted by 伊熊よし子 at 23:52 | アーティスト・クローズアップ

デニス・マツーエフ

 12月1日からワレリー・ゲルギエフ指揮マリインスキー歌劇場管弦楽団が日本ツアーを行い、連日各地で演奏を行うというタフなスケジュールをこなしている(全10公演)。
 今日は最終日で、13時と18時にサントリーホールで2公演が組まれ、ピアノのデニス・マツーエフがソリストを務め、ラフマニノフのピアノ協奏曲を1日に4曲演奏するという快挙を成し遂げた。
 このプログラムの原稿のマツーエフの項を担当したため、事前に知っていたのだが、まさに彼しかできないハードスケジュールである。
 マツーエフは、「ラフマニノフのコンチェルトは、マエストロ・ゲルギエフとぼくとの代名詞的な存在」だと語る。とりわけ第3番は、13歳から弾き始め、自分の血となり肉となっている作品とか。
 今日の演奏も、まさしく自家薬籠中の作品を演奏する自信に満ちあふれたピアニズムだった。弱音から開始したが、次第にパワー全開、強音の部分ではピアノが壊れそうな(?)はげしい音楽がホール全体を包み込んだ。
 マツーエフはいま3つの重要な国際音楽祭の芸術監督を務めているが、新しい世代の若手音楽家たちにこうした音楽祭に出演する機会を与え、道を拓いてあげるのだという。
 192センチの堂々たる体躯の持ち主で、いまどき珍しく燕尾服を身に着け、演奏はパワフルそのもの。インタビューでも、大きな声でジョーク連発のエネルギッシュなタイプだが、後進に温かい目を向ける面を持ち合わせている。
「ぼくは男らしく堂々とした演奏で、作曲家の内なる意思を表現したい」
 なるほどね、その強さ、しっかり伝わってきました。
 
posted by 伊熊よし子 at 23:31 | クラシックを愛す
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