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ポール・ルイス

 イギリスの実力派ピアニスト、ポール・ルイスは、ある種のまとまった企画でプログラムを組み立て、シリーズとして何年間にもわたり、コンサートを行うことを好む。
 今回の来日では、長年共演を重ねているテノールのマーク・パドモアと王子ホールで2夜にわたって「歌曲の夕べ」を開いた。
 そして29日には、「HBB PROJECT Vol.1」と題するリサイタルを行う(王子ホール)。これはハイドン、ベートーヴェン、ブラームスの3作曲家の作品をシリーズで演奏するもので、第2回は2018年11月20日、第3回は2018年11月22日、第4回は2019年9月の予定である。
 そのシリーズについて話を聞くべく、インタビューを行った。
 ルイスは、ハイドンをこよなく愛しているそうだ。ユーモアがあり、サプライズがあり、笑いもあり、すばらしく豊かな作品が多いと力説する。
 そのハイドンとまったく逆の、内省的でシリアスなブラームスの作品を組み合わせたプログラムを作りたいと考え、そのふたりの作曲家の橋渡しができる存在として、ベートーヴェンを入れたのだという。
 ただし、ベートーヴェンは、「バガテル」や「ディアベッリ変奏曲」で、ピアノ・ソナタではない。ブラームスは、晩年の間奏曲や小品が選ばれている。
 ハイドンに関しては、ピアノ・ソナタが主流となっている。
「そんなにもあなたはハイドンが好きなのに、どうしてほとんどのピアニストはハイドンを弾かないんでしょうね」というと、「ホント、どうしてだろうといつも思っている。ハイドンは退屈だとか、おもしろくないという人が多いんですよ。まったく逆なのにねえ」と、真剣な眼差しで考え込んでいた。
 ルイスは録音にも積極的に取り組み、最近ではベートーヴェンのピアノ協奏曲全集、ブラームスのピアノ協奏曲第1番と4つのバラード、シューベルトの後期ピアノ・ソナタ集、マーク・パドモアとのシューベルト・チクルスなど、興味深い録音を世に送り出している(キングインターナショナル)。
 このインタビューは、「intoxicate」に書く予定である。
 ルイスはいつ会っても実に感じがよく、ひとつひとつの質問にことばを選びながらていねいに答えてくれ、その実直さが彼のまっすぐで深みのある演奏を連想させる。
 今日の写真は、インタビュー後の1枚。
 ポール・ルイスの写真というと、あまり笑っているものを見たことがない。いつも真摯な表情をしている。でも、インタビュー中はジョークもいうし、おどけた表情もするし、終始にこやかである。この写真も、自然な笑顔でしょ。

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posted by 伊熊よし子 at 22:10 | 情報・特急便
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