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山田和樹

 モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団の芸術監督兼音楽監督、スイス・ロマンド管弦楽団の首席客演指揮者、日本フィルハーモニー交響楽団の正指揮者、東京混声合唱団音楽監督兼理事長、横浜シンフォニエッタの音楽監督に加え、2018年4月から読売日本交響楽団の首席客演指揮者に就任することが決まった、多忙を極める山田和樹が、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて「世界のアンセム(愛唱歌)」プロジェクトRoad to 2020のシリーズを開始した。
 これは世界各国の国歌、愛唱歌、第2国歌として親しまれている曲などを録音するもので、「音楽は国を超える! 歴史を超える!」をコンセプトとし、11月22日に第1弾がリリースされる(キングレコード)。
 今日は、オペラのリハーサルの合間を縫って、彼がインタビューに応じた。これは次号の「CDジャーナル」に書く予定である。
 山田和樹には3年前に話を聞いて以来だが、いつ会っても感じがよく、話がスムーズに進み、最後は雑談に花が咲いてしまう。
 このプロジェクトは2020年までに6組のCDを予定しており、いまは1作目の仕上げにおおわらわだそうだ。
 これは、リストを見るだけでさまざまな国の国歌や愛唱歌が創造力を喚起し、その国の歴史から地理的な位置、民族、伝統、文化などにいたるまで調べたくなってくる。
 山田和樹も、初めて知る国に出合い、その土地の言語を調べ、資料を集め、とことん研究を重ねているという。
「これが音楽の力ですよね。音楽からあらゆる方面に好奇心が湧くようになり、調べていくうちにどんどん興味の幅が広がっていく。国旗を知ることもおもしろく、まったくどのようにうたったらいいかわからない言語との出合いもある」
 そのことば通り、これは日本フィルと東京混声合唱団の演奏。オーケストラの演奏のみならず、歌が含まれている。その歌詞を原語に近い形でうたうのが、至難の業だという。
 このプロジェクトは、録音だけではなく、今後コンサートでも展開していく予定。日本各地でいろんな国の曲に出合えそうだ。
 山田和樹は、いま「NISSAY OPERA/ニッセイ名作シリーズ」ドヴォルザーク:歌劇《ルサルカ》のリハーサルの真っ最中で、これは読売日本交響楽団、東京混声合唱団、演出:宮城聡によるもの。11月9日、11日、12日に日生劇場で上演される。
 今日の写真は、インタビュー後の1枚。「写真撮られるの、苦手なんだよねえ」とひとこと。インタビュー中は、にこやかに笑いながら話していたのに、やはりカメラは苦手なようで、ちょっと真面目な表情になってしまった。

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posted by 伊熊よし子 at 22:53 | 情報・特急便

長野市芸術館「音楽の分かる大人になろう! 講座」の準備

 今週の日曜日、10月29日(日)に長野市芸術館の「音楽の分かる大人になろう! 講座」の第1時間目の講座が幕を開ける。
 1カ月に1回、半年間続く全6回(6時間)の講座で、29日の第1時間目は「心の琴線に響くバンドネオン 南米音楽の情熱と哀愁に酔う!」と題し、ピアソラの音楽から南米出身の指揮者、ピアニスト、オペラ歌手などを紹介する予定である。
 いま、その講座で使用する音源の準備をしている。事前に長野市芸術館の担当者に送り、あらかじめ見聴きして用意をしておいてもらうためだ。
 講座は1時間ゆえ、内容の濃いものにし、短時間ながら有意義だったと感じてもらうものにしなければならない。
 講座のあとは質疑応答の時間を設け、壇上から降りてみなさんのなかに入り、質問に答えたり、いろんな話をしたいと思っている。
 まず、第1回なので、これから続いて受講してもらえるよう、全力を尽くしたいと考え、入念な準備をしている。
 また、講座の報告をしま〜す。
 
posted by 伊熊よし子 at 22:18 | クラシックを愛す

マティアス・ゲルネ

 昨日は、台風のなか、サントリーホールにマティアス・ゲルネのシューベルト「冬の旅」を聴きにいった。
 このリサイタルは、ピアノをクリストフ・エッシェンバッハが担当するということで、以前から話題になっていたが、エッシェンバッハが左手の故障により急遽キャンセルとなってしまった。
 代わりにピアノを担当したのは、世界各地でゲルネと「冬の旅」で共演を重ねているマルクス・ヒンターホイザー。ウィーン芸術週間の芸術監督、ザルツブルク音楽祭の芸術監督を務めていることで知られ、近年は現代音楽の演奏にも取り組んでいる。
 ゲルネの歌声は、やわらかく美しい弱音と、身体全体を鳴らす強音とのバランスが見事で、聴き慣れた「冬の旅」にまったく新しい風を吹き込むものだった。
 約90分間、一瞬たりとも弛緩することなく、緊迫感に満ち、ピアノとの音の融合に神経を張り巡らし、歌詞を大切にうたい込んでいく。
 ピアノとの音の対話はもちろん濃密なのだが、時折ひとり芝居のように演技力を発揮し、詩の内容に合わせて顔の表情まで変えていく。
 ひとつひとつの曲が、まるで異なった世界のような空気を生み出し、戯曲を紡いでいくよう。
 ゲルネは、以前のインタビューで語っていたことだが、「冬の旅」は偉大な恩師たちとは学ばず、自分でずっと勉強を続けたという。
 その成果が存分に現れ、深々とした情感に富む、えもいわれぬ美しく哀しく、心に響くシューベルトだった。
 ヒンターホイザーのピアノがまたすばらしく、こんなにも歌に寄り添う美しいシューベルトは、稀である。
 終演後、楽屋を訪れると、折しも演奏を聴きにいらしていたプレスラーにバッタリ。彼は、ゲルネとシューベルトの共演をしたことがある。楽屋でゲルネとヒンターホイザーと話し込んでしまったため、今回は写真を撮ることができなかった。
 大雨のなかだったが、本当に聴きにいってよかった。「冬の旅」の奥深さを知らされた一夜だった。
posted by 伊熊よし子 at 22:47 | クラシックを愛す
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