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ダン・タイ・ソン リサイタル

 武蔵野市民文化会館小ホールは、地元の人々に愛されているホールで、チケットはすぐに完売してしまう。
 今日のダン・タイ・ソンのリサイタルもソールドアウトで、熱心なピアノ・ファンが大勢詰めかけた。
 プログラムは、オール・シューベルト。前半は「アレグレット ハ短調 D.915」「12のドイツ舞曲(レントラー集) D.790」「4つの即興曲 D.899」。後半は「ピアノ・ソナタ第21番 変ロ長調 D.960」である。
 いずれも、ダン・タイ・ソンのナマ演奏で聴く初めてのシューベルトで、即興曲以外は、新譜に収録されているため、ずっと聴き込んでいた。
 しかし、「4つの即興曲」は、作品のすばらしさを前面に押し出す奏法で、とりわけ第3番が心に深く響いた。
 ぜひ、次回はこの即興曲を録音してほしいと思う。
 ダン・タイ・ソンは初来日から聴き続けているため、その演奏の変遷を考えると、非常に感慨深いものがある。彼の演奏は、自身が語っているように、住む場所、環境、人々との交流などによって、大きな変貌を遂げた。
 今日のシューベルトは、ダン・タイ・ソンの「いまの心身の充実」が存分に映し出されていた。どの作品も、深々とした響きと歌謡性、楽譜の裏側まで読み込む洞察力に富んでいたからである。
 アンコールは2曲。リストの「旅のアルバム」より「ジュネーヴの鐘」と、ショパンのノクターン第20番嬰ハ短調。
 終演後、楽屋で会ったダン・タイ・ソンは、まさに大曲を弾き終え、充実した表情をしていた。










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posted by 伊熊よし子 at 23:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日々つづれ織り

ダン・タイ・ソン

 ダン・タイ・ソンが1980年にショパン国際ピアノ・コンクールにおいて、アジア人初の優勝者となってからはや37年が経過した。この間、彼はベトナムからロシア、日本へと移り住み、その後カナダとフランスに拠点を置くようになり、国際舞台で活躍するようになる。
 久しぶりにリリースされた新譜は、シューベルトの作品集(ビクター)。最後のソナタにあたるピアノ・ソナタ第21番をメインに据え、「アレグレット」「12のドイツ舞曲(レントラー)」という構成だ。
 いまでは国際コンクールの審査員を務めたり、後進の指導にも力を入れているダン・タイ・ソン。このシューベルトは、音楽性と人間性を磨き抜いてきた彼の、現在の心身の充実を示すアルバムとなっている。
 ダン・タイ・ソンの音楽はおだやかな音色とゆったりとしたテンポに彩られているが、その奥に静謐な空気が宿る。このシューベルトも作曲家の思いに寄り添い、孤独感と諦念を潜ませている。
「私がショパン・コンクールを受けたころは、まだやせていてからだができていませんでした。上半身を大きく動かして演奏していたものです。あとでビデオを見てすごく恥ずかしかった。ゆらゆら揺れてばかりで音がまったく安定しない、消してしまいたいくらいでした(笑)。その後、先生に指摘されてピアノに向かう姿勢を直し、筋肉もつくようになり、ようやくスケールが大きくエネルギッシュなロシア作品が弾けるようになりました。ショパンに関しても自然な姿勢で自由に鍵盤をうたわせることができ、リズムもテンポも自在に奏でることができるようになりました」
 そしていま、ピアニスト自身が成熟しないとうまく弾けないといわれる、シューベルトの作品と対峙することになったのである。
「モスクワ時代はお金がなくて食べ物に不自由していたため、太るどころではありませんでした。ピアノは体力を要します。ですからコンクール後にとにかく体重を増やそうと努力し、いまのように太ったわけです(笑)」
 当初は清涼で静謐で平穏な美しい音でショパンを奏でていたダン・タイ・ソン。それが徐々に音が肉厚になり、幅も広くなり、音楽が深淵になっていく。現在はピアノ好きがため息をもらすほど、情感豊かで表現力に富む美しいピアノを奏でる音楽家に成長を遂げた。
 明日は、武蔵野市民文化会館でダン・タイ・ソンのリサイタルがある。オール・シューベルト・プロである。私は明日聴きに行く予定にしているが、22日は紀尾井ホールでもリサイタルが予定されている。
 ナマで聴く、ダン・タイ・ソンのシューベルト。どんな美しい歌が奏でられるだろうか。
 今日の写真は、シューベルトの作品集のジャケット。





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ストレス解消

 最近、私のまわりは仕事のストレスがたまり、体調を崩す人が多い。
 今日は、親しい仕事仲間のTさんに会い、渋谷のホテルのカフェレストランで長時間にわたっておしゃべりをした。
 Tさんも、つい先ごろ大変な病気に見舞われ、ようやく快方に向かったところだ。そこで、「とにかく胸のなかにあるものを全部ぶっちゃけた方がいいよ。ストレス解消をしよう」といって、私は聞き役に徹した。
 何時間も話しているうちに、彼女は徐々に心が軽くなったようで、私も自分の悩みをぶちまけることができた。
 やはり、長年つきあっていて、お互いのことがよくわかっている人と話すと、気持ちが楽になるものだ。
 Tさんも、今日は仕事をせず、英気を養う日にしたようだ。
 でも、午前11時に会って軽くランチでも、と考えていたのだが、気がついたら午後6時半。この間、カレーセット、ケーキセット、ホットサンド、紅茶を4杯も飲んだ。きっと、ホテルの人は、「このお客さんたち、いつまで話しているんだろう」と思っただろうなあ(笑)。
 というわけで、座りっぱなし、話しっぱなしで、かなり心身は疲れたが、心はかろやかで、ふたりとも笑顔で「明日からまた頑張ろう」といって別れた。
 Tさんとは、また来週仕事で会うことになっている。そのときは、アーティストが一緒だから、仕事中心になるが…。
 私は帰宅してから、今日の締め切りをなんとか片付け、ようやく落ち着いた。
 今日の写真は、次々にいろんな物をオーダーしたなかで、おいしかったラズベリーのケーキ。シャーベットも付いていて、しゃべりすぎてのどが渇いたときに、ピッタリのスイーツだった。


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posted by 伊熊よし子 at 23:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | 親しき友との語らい
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