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プラシド・ドミンゴ&ルネ・フレミング プレミアム・コンサート・イン・ジャパン2017

 昨年夏から関わっていたプラシド・ドミンゴの日本公演の仕事が、ようやく昨日のコンサートでひと段落した。
 あとは、「公明新聞」に公演評を書くことですべて終了となる。
 19時30分に開幕したコンサートは、前半にヴェルディの歌劇「マクベス」から「慈悲・尊敬・愛」(ドミンゴ)、チーレアの歌劇「アドリアーナ・ルクヴルール」から「私は創造の神のつつましい召使い」(フレミング)などのオペラ・アリアが次々に登場。ふたりのあたかもオペラの舞台を連想させるような歌唱と表現力、演技力が東京国際フォーラムAホールの5000人を包み込み、聴衆は集中力をもってシーンと聴き入る。
 前半の最後は、ヴェルディの歌劇「シモン・ボッカネグラ」からシモンとアメーリアの二重唱「まずしい女が孤児の私を」がドミンゴとフレミングによってうたわれ、両者の成熟した歌声がこだまする。
 後半は、皇后陛下御臨席のもと、ドミンゴの得意とするサルスエラやフレミングのミュージカル・ナンバーなどがうたわれ、バーンスタインの「ウエスト・サイド物語」から「トゥナイト」がふたりよって熱唱され、プログラムを閉じた。
 しかし、ここからが彼らの真骨頂だ。エンターテイナーであるふたりは、アンコールに「ベサメ・ムーチョ」「グラナダ」(ドミンゴ)、「私のお父さん」(フレミング)をうたい、昨年亡くなったレナード・ノーマン・コーエンの「ハレルヤ」(フレミング)も登場し、拍手喝采は止まらなくなった。
 そして、これを聴かずには帰れないという聴衆の期待に応え、「故郷」がうたわれ、会場はスタンディングオベーションがしばし止み、感動的な大合唱となった。
 ドミンゴはフレミングを抱えるようにしてレハールの「メリー・ウィドウ・ワルツ」で踊りも披露し、2時間強にわたる至福の時間は幕を閉じた。
 その後、ザ・キャピトルホテル東急に移り、ドミンゴ&フレミングを囲んで内輪のパーティが行われた。
 パーティが始まったのがほぼ11時。それから2時間にわたって着席のフルコースの食事会となり、すべてが終了したのは午前1時を回っていた。
 本当に長い1日だった。
 パーティの始まる前、フレミングには以前インタビューしたことがあるため、あいさつをし、ドミンゴには昨秋のロサンゼルスでのインタビューのお礼をひとこといった。
 すると、彼は「今夜のコンサートは楽しめた?」と聞いたため、私が「いま、とても幸せな気持ちです」と答えると、「それを聞いて、私も幸せだよ」といってほほ笑んだ。
 なんと温かく、真摯で、わけ隔てのない、すばらしい人柄なのだろう。ドミンゴは、みんながその性格を褒めるが、私も本当に率直で、オープンで、根っからの明るさを備えた人だと思う。
 
 写真は、素適な笑顔のフレミング。



 ちなみに、ドミンゴ&フレミングを囲んでの食事会のメニューは、ホテルがものすごく力を入れたすばらしいラインナップだった。
 
[アフタ―コンサートディナー]
蟹とグリーンピースのババロア セルクル仕立て キャビア飾り マスタードソース



温かいコンソメスープ 茸の香りと共に
国産牛サーロインのロースト 焦しオニオンソース なめらかなポテトピュレを添えて
野菜サラダ
桜のブラマンジェ 花びらをソースに散りばめて



ホテルベーカリーのパン取り合わせ
コーヒー又は紅茶
 
 これらに合わせて、シャンパン、白ワイン、赤ワインが供された。
 本当に、長い時期にわたる仕事だったが、記憶に残るコンサートで終幕を迎えることができた。



タグ:"Yoshiko Ikuma"
posted by 伊熊よし子 at 22:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | 終わりよければ…取材奮闘記
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