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コロッケサンド

 最近、私のレシピで大評判なのがコロッケサンドである。
 これは、行きつけのオーガニック・ショップ、長本兄弟商会のパンを使って作る。このパンは、やわらかいバンズのようなものではなく、小麦の味がしっかりした噛みごたえのある三角形の白いパンである。
 いつもお店にあるわけではなく、決まった日に少しだけ入荷するため、ときどきしか食べられない貴重な代物。



 小麦粉、砂糖、酵母、食塩だけが使用されたホワイトフランスと名付けられたパンで、ラベルには国産小麦、白神こだま酵母、手づくりパンと書かれている。
 このパンが手に入ったら、早速コロッケを作る。
 じゃがいもに豚赤身ひき肉とたまねぎを入れた、昔ながらの自然な味のコロッケである。



 パンは真ん中に包丁を入れて厚みを半分にし、軽く焼く。片方にはバターを、もう片方にはマヨネーズを塗る。
 コロッケとキャベツの千切りをパンの片方に乗せ、粒マスタードとケチャップととんかつソースを混ぜたものを少しだけ塗り、もう片方のパンをかぶせて出来上がり。
 パンがどっしりとした存在感のあるものゆえ、ひとつ食べるとかなりおなかがいっぱいになるけど、コロッケ好きにはたまらない味で、ついもうひとつ食べたいと手が出る。
 これはサラダを添えればランチにピッタリだけど、実は赤ワインにも合うんだよね。やっぱり手づくりの素朴なお料理は、飽きない味でいいよねえ、と自画自賛(笑)。

 


タグ:"Yoshiko Ikuma"
posted by 伊熊よし子 at 21:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | 美味なるダイアリー

プラシド・ドミンゴ

 昨年9月、ロサンゼルスでインタビューしたプラシド・ドミンゴに関しては、新聞、音楽専門誌、一般誌、女性誌、情報誌、WEB、ラジオ出演など、さまさまな媒体でインタビュー内容と3月13日の来日情報を書き、話し、紹介してきた。
 今月号の「モーストリー・クラシック」は、そのドミンゴにかなりのページを割いている。
 表紙からドミンゴで、私は「BIGが語る」「プラシド・ドミンゴの歩み」「3大テノールの軌跡」、そして「ドミンゴと敏腕マネージャー 寺島忠男&悦子夫妻」の原稿を担当した。
 これまでずいぶんいろんな媒体に記事を書いてきたが、原稿は「モーストリー・クラシック」が最後となり、あと1本、27日のNHKラジオ「ごごラジ!」のナマ出演ですべて終わりとなる。
 毎回、インタビューのたびに感じることだが、ドミンゴはとても誠実で、前向き。どんなに忙しくても、疲れていても、一生懸命インタビューに応えてくれる。
 これはなかなかできることではない。
 実は、私の仕事はアーティストにとって、手放しで歓迎されるものではない。特に、もう宣伝や広報活動をする必要がない世界的なポジションを獲得しているアーティストの場合、インタビューに時間を取られるのは極力避けたいと思うのが常である。
 来日した場合も、寸暇を惜しんで練習やリハーサルに時間を当てたいし、時差や気温差などの問題もある。
 それゆえ、インタビューはできる限り短い時間で、ということになる。
 ほとんどの場合は、アーティストの滞在先のホテル、レコード会社や音楽事務所で行われるが、カフェやレストラン、ホールの楽屋という場合もある。
 それでも時間が取れない場合は、新幹線の車中、クルマで移動するとき、リハーサルの合間のホールの階段のところ、などということもある。
 いずれにしても、臨機応変な対応を迫られる。もういろんなケースに遭遇しているため、ちょっとやそっとのことでは驚かないが、もっとも大変なのは短時間での対応だ。
 ドミンゴの場合も、しっかりした撮影を行わなくてはならなかったため、話を聞く時間が限られていた。私はいろんな媒体に書き分けをする必要があったため、あらゆる方向から質問を試み、ドミンゴも私の気持ちを察してか当意即妙のことばを返してくれた。
 海外取材は、日本での取材とは根本的に異なる。現場では、何が起きるかわからない。予測できない事態に遭遇することもしばしば。そうした場合に備え、こちらもいろんな手段を考えておかなくてはならない。
 ようやく、ドミンゴの取材記事が形になり、いまはホッとした気持ちだ。さて、3月13日はどんなコンサートになるだろうか。ひたすら待ち遠しい!
 今日の写真は、「モーストリー・クラシック」の表紙と、「BIGが語る」のページの一部。





 
タグ:"Yoshiko Ikuma"
posted by 伊熊よし子 at 15:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 終わりよければ…取材奮闘記

セドリック・ペシャ

 すみだトリフォニーホールが2006年のマルティン・シュタットからスタートし、シリーズとして行っている「ゴルトベルク変奏曲」。
 第10回目の昨夜は、フランスとスイスの国籍をもつ、ローザンヌ生まれのセドリック・ペシャの登場。ジュネーヴ音楽院、ベルリン芸術大学で学び、2002年のジーナ・バッカウアー国際ピアノ・コンクールで第1位を獲得したピアニストだ。
 現在は、国際コンクールの審査員や室内楽シリーズの芸術監督を務め、欧米各地でマスタークラスも開催している。2012年にはジュネーヴ高等音楽院のピアノ科教授に就任した。
 セドリック・ペシャの「ゴルトベルク変奏曲」は、これまで聴いていた演奏とはまったく異なる。このシリーズでは、革新性を発揮したり、即興的な演奏をしたり、J.S.バッハの作品をあたかも「旅」のようにとらえたり、ジャズのイディオムを加えたりするなど、毎回個性的な「ゴルトベルク変奏曲」が登場してきた。
 しかし、ペシャの演奏は、あくまでも流麗でおだやかで、闘いの表情は微塵も顔を見せず、作品の美質を浮き彫りにする奏法。初の「リピートしない」奏法でもある。
 プログラムは、前半にフレスコヴァルディの「パッサカリアによる100のパルティータ」、ウェーベルンの「ピアノのための変奏曲」、ブラームスの「主題と変奏」「創作主題による変奏曲」という変奏曲をもってきて、しかも「曲間の拍手はご遠慮ください」というアナウンスがあり、4曲を集中して演奏。流れる清らかな水のような、春を待ち焦がれる人々の気持ちを代弁するような、また、舞曲を静かに舞い踊っているような空気を生み出した。
 そして、後半はリピートなしの「ゴルトベルク変奏曲」。非常に個性的な組み立てである。
 この日は、午前中からずっと打ち合わせやインタビューが続き、その足でホールに出向いたため、攻撃的な演奏を聴く体調ではなかった。セドリック・ペシャのピアノは、そんな私の心にゆったりと静かに語りかけてきた。約41分の「ゴルトベルク変奏曲」。シンプルな素描画のようなバッハだった。
 今日の写真は、コンサートのチラシ。

タグ:"Yoshiko Ikuma"
posted by 伊熊よし子 at 23:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | アーティスト・クローズアップ
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