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アレクサンダー・クリッヒェル

 本日8時、「音楽を語ろうよ」のアレクサンダー・クリッヒェルの記事がアップされた。
 2016年は怒涛の1年だったため、なかなかHPの更新がままならず、かなり間が空いてしまった。
 今年最初のクリッヒェルの記事、ぜひ読んでくださいね。
 これからはあまり間を置かず、次の記事もアップしていきたいと思う。
タグ:"Yoshiko Ikuma"
posted by 伊熊よし子 at 10:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | 情報・特急便

辻井伸行

「家庭画報」の2017年3月号(2月1日発売)から1年間に渡り、辻井伸行の連載ページを担当することになった。
 ピアニストとして日々成長し、海外公演も多数行い、レコーディングも積極的にこなしている辻井伸行。それをカラーページで伝えていく。
 彼の場合、日本ツアーも常に完売で、昨日は「バッハ・モーツァルト・ベートーヴェン」の昨年12月からのツアーの中間地点での最終日だった。このツアーは、また3月に公演が組まれている。
 日本での活動と海外公演、そして作品に対する考えや自作品にまつわること、各地でのエピソードやプライヴェートライフまで、幅広く紹介していく連載記事になる予定だ。
 今回のツアーは、J.S.バッハの「イタリア協奏曲」、モーツァルトのピアノ・ソナタ第17番、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第14番「月光」、同第23番「熱情」というプログラム。
 バッハに関しては、初めて大きな作品をリサイタルで取り上げることになり、昨年のインタビューではそのきっかけや作品に対する思いなどを聞いた。
「イタリア協奏曲」は全3楽章の内容、構成、表現、解釈などが非常に異なる作品だが、辻井伸行は真摯にバッハと対峙し、内なるエネルギーを爆発させ、とりわけ終楽章では目の覚めるようなパッションとスピードと情熱を披露して会場を沸かせた。
 こうした演奏の醍醐味も、連載で伝えていきたいと思う。
 終演後、楽屋で話をしたときに、「つい先日、バッハを弾きたいんですといっていたのに、もう本番に登場するなんてすごいですよね。早くてビックリ」というと、「バッハはピアニストにとって本当に大切な作曲家ですので、一生懸命練習したんですよ。そんなに早いですか、そういってもらえるとうれしいなあ」と、にこやかな笑顔を見せていた。
 彼の演奏は、聴くたびに大きな成長を示している。それも階段を一気に駆け上がっていくような勢いで…。
 今日の写真は、演奏が終わってホッとした表情を見せる辻井伸行。辻井さん、これから1年間、密着取材しますからね?。





タグ:"Yoshiko Ikuma"
posted by 伊熊よし子 at 23:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 情報・特急便

キット・アームストロング

 ピアニストがリサイタルのプログラムを組むとき、あまり演奏されない作品を選ぶのには、かなりの勇気を要する。
 聴衆がそれらの作品になじみがないため、会場の雰囲気が盛り上がらなくなったり、退屈な顔をしたり、ときには眠ってしまう人が増えたり…。
 しかし、個性派の若きピアニスト、キット・アームストロングは自身の好きなバッハ以前の古い時代の音楽を積極的にプログラムに取り上げる。
 1月23日に浜離宮朝日ホールで行ったリサイタルでは、イギリス・ルネサンスを代表する作曲家、ウィリアム・バード(1540頃?1623)の「プレリュード」、「パヴァーヌ」、「ガイヤルド」から幕開け。
 次いで「ファンシー」が取り上げられ、あたかもヴァージナル(主として16世紀にイギリスで流行したチェンバロの一種)を聴くような雰囲気を醸し出した。
 私はチェンバロを演奏していたためか、この時代の音楽がとても好きである。キットが完璧なる技巧とバードの書法を深く理解した奏法、舞曲のリズムを美しく表現する術にいたく感銘を受けた。
 プログラムは、モーツァルトの幻想曲K.394、ピアノ・ソナタ第17番と続き、かろやかでコロコロと転がる真珠の粒のような音が、天空に舞っていった。
 キットの演奏は、けっして派手ではない。しかし、そのピアノは深い思考に根差したもので、作品の内奥にひたすら肉薄し、楽譜に忠実ながらピアノ好きをうならせる造詣の深さが存在する。
 後半はリストのピアノ・ソナタ ロ短調が「巡礼の年」第3年より「エステ荘の噴水」が演奏された。
 ロ短調ソナタでも、大袈裟なことは何もない。生涯ピアノを愛したリストの伝統と革新、新たなソナタの様式、単一楽章で成し得る最高の表現を楽譜から読み取り、緻密で繊細で内的な情熱を遺憾なく発揮した。
 最後の「エステ荘の噴水」は、キットの美しい弱音が存分に堪能できる演奏となった。
 本当にすばらしい才能だ。もっともっと多くの人に聴いてほしい逸材である。
 欲をいわせてもらえば、バードをより多く聴きたかった。次回もまた、アーリー・ミュージックが登場するだろうか。
 今日の写真は、プログラムの表紙。


タグ:"Yoshiko Ikuma"
posted by 伊熊よし子 at 23:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | クラシックを愛す
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