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辻井伸行

 約1カ月半前に、辻井伸行とヨーロッパ室内管弦楽団の「極上のモーツァルト」と題した日本ツアーが終わったばかりだが、いまはバッハの「イタリア協奏曲」、モーツァルトのピアノ・ソナタ第17番、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第14番「月光」と第23番「熱情」のツアーの真っただ中である。
 これは12月14日から2017年3月29日まで、間を置きながら全国で展開される。
 今日はその合間を縫って、来春の「家庭画報」の取材のため、府中の森芸術劇場どりーむホールに出かけた。
 辻井伸行はいつ会っても元気で、どんな質問に対してもことばを尽くして熱く語ってくれる。
 長年インタビューをしているためか、途中からいつも雑談になってしまい、公演で訪れた土地での食べ物の話や、指揮者の知られざる素顔や、海外でのエピソードなどに話が逸れていく。
 仕事の話よりもそういう方がおもしろいため、つい爆笑しながら対話していると、あっというまにインタビューの時間は過ぎてしまう。
 もちろん、今回のプログラムに取り上げた作品について聞いた。
 1カ月半前に話を聞いたときは、バッハを初めて演奏会に取り上げることになり、「イタリア協奏曲」だという話を聞いたばかりだったので、「あのときは、まだこれから各楽章を仕上げていくところだと話していたのに、こんなに早く本番で演奏するなんて、びっくり」というと、「そうなんですよ、早いでしょう」といって楽しそうに笑っていた。
 記事のなかでは、作品にまつわるエピソード、各々の作曲家に対する思いなどを存分に紹介したいと思う。
 今日の写真は、本番前の練習に余念がない辻井伸行。
 カメラマンの写真撮影では、即興で自作を披露していた。

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posted by 伊熊よし子 at 22:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | 親しき友との語らい

2016年のインタビュー

 いまは各社の雑誌が送られてくる時期で、ある音楽雑誌が「2016年を振り返る」という記事にページを割いている。
 2016年に行われたコンサート、リリースされ録音のなかで、優れたものをリストアップするという企画である。この企画は、他誌でもまだまだ続く。
 今年も、本当にさまざまな演奏を聴いてきた。そのなかで、ベストワンを選ぶのは至難の業である。
 だが、不思議にノートを見ながらあれこれ思い出しているうちに、「これだ!」というものが見つかる。
 コンサートの場合は、そのときの感動が蘇り、録音の場合は、繰り返し聴いている音源が手元にあることに気づくのである。
 整理の悪い私でも、こうしてすぐにベストワンが決まるのだから、整理上手な仕事仲間の評論家たちは、きっと即決しているに違いない。
 でも、選ばれたリストを見ていると、千差万別。本当に人の趣味嗜好というものは、さまざまなのだということがわかる。
 実は、私のなかで、2016年に行ったインタビューでもっともおもしろかったものを5つ挙げてみた。
 プラシド・ドミンゴ
 ファジル・サイ
 ピエール・アモイヤル
 エマニュエル・パユ
 チョン・キョンファ
 この5人である。
 次点がアレクサンドル・タローとラン・ラン。
 こうしてリストアップしてみると、そのときのインタビューの情景がまざまざと蘇ってくる。彼らの生き生きとした表情までも浮かんでくる。
 さて、来年はどんなインタビューに出会えるだろうか。
 
 
 
 
 
 
タグ:"Yoshiko Ikuma"
posted by 伊熊よし子 at 22:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日々つづれ織り

岩下眞好さんを偲ぶ

 ドイツ文学者で音楽評論家の岩下眞好さんが、15日に脳出血で亡くなった。享年66。
 慶應義塾大学で長く教鞭を執り、名誉教授となられた。
 実は、岩下さんとは1998年に海外出張でご一緒したことがある。
 毎春行われる「東芝グランドコンサート」の先行取材で、翌年のミシェル・プラッソン指揮トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団に関する取材であり、プラッソンのインタビューなどを行った。
 このときはトゥールーズ管の演奏を聴いたり、町の取材をしたり、結構のんびりと余裕のある日程だったことを覚えている。
 毎夜、夕食が終わってからホテルの中庭に出て、取材陣みんなで遅くまで飲んでいろんな話をしたが、そのときに岩下さんともずいぶん親しく話すことができた。
 以来、コンサートでお会いするたびに、近況などを話すようになった。
 ところが、この夏、彼が病気で倒れたと聞き心配していたのだが、秋になって元気な姿でコンサートに現れた。
「実は、肺に水がたまって、それをかなりたくさん抜いたので、やせたんですよ。ちょっとスリムになったでしょう」
 こう笑って話す様子から、体調が戻ったと安心していたところだった。
 その矢先の訃報である。
 とてもショックで、ことばが出ない。親しくしている人が亡くなると、その人の思い出が走馬灯のように頭を巡る。 
 岩下さんは、いつもとてもおだやかで優しく、ユーモアも忘れない人だった。
 もう音楽談義ができないことが、とても悲しい。
 謹んでご冥福をお祈りします。
 
タグ:"Yoshiko Ikuma"
posted by 伊熊よし子 at 20:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日々つづれ織り
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