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ラファウ・ブレハッチ

 ラファウ・ブレハッチの演奏は、日々のストレスを忘れさせてくれ、あたかも魂が浄化されるような気分になる。
 今日は東京オペラシティコンサートホールでリサイタルがあり、ブレハッチはオール・ショパン・プログラムを組んだ。
 前半はマズルカ作品41、50、56、63、24が続けて登場。後半はピアノ・ソナタ第2番「葬送」という構成である。
 マズルカは、ショパン・コンクールを受ける人の多くが「難しい」と語る作品である。ポーランド人でも、その特有のリズムと音の立ち上がり、間の取り方、舞踊の要素の理解が困難で、なかなか的確な演奏ができないという。
 今夜のブレハッチのマズルカは、いずれも誠実で率直で飾り気がなく、自然体。「マズルカ」とはこういうものだという説得力のある演奏だった。
 しかし、ブレハッチはそれをけっして声高に叫んだり、強音で表現したりせず、弱音の美しさで勝負する。
 ショパン・コンクールのときは、彼が演奏すると、審査員席のほとんどの人が次々に涙を流していった。その光景はいまでも私の脳裏にしっかりと刻み込まれている。私もウルウルしていたからだ。
 今日のマズルカも、つい涙がこぼれそうになるほど、上質な美しさと繊細さと気高さがあふれていた。
 もちろん、後半のソナタ第2番もブレハッチの長年の研究と努力と練習の賜物で、ひとつひとつの音があるべき姿でそこに存在し、この作品の奥深さを知らしめる。
 ここしばらく仕事が立て込んでいて、のどの調子もよくなく、体力と気力が落ちていたが、ブレハッチのショパンを全身で受け止めることにより、心身が覚醒したというか、一気に力が涌いてきた。
 ラファウ、ありがとう!!
 まだ2月なのに、すでに今年のコンサート・ナンバーワンが決まった感じ(笑)。これを超える演奏に出会えるかな…。
posted by 伊熊よし子 at 23:35 | マイ・フェイバリット・ピアニスト

ルドルフ・ブッフビンダー

 先日、オンラインインタビューした、ルドルフ・ブッフビンダーの記事が、「intoxicate」のWEBにアップされた。
 ぜひ、読んでくださいね。


https://mikiki.tokyo.jp/articles/-/36804


posted by 伊熊よし子 at 13:34 | アーティスト・クローズアップ

ルネ・マルタン

 今年も5月3日から5日まで、東京国際フォーラムをメイン会場とし、その近隣エリアも参加して「ラ・フォル・ジュルネTOKYO2024」が開催される。
 今年のテーマは「オリジン」。日本で「ラ・フォル・ジュルネ」が誕生してから20年という記念の年にあたるため、これまで登場した作曲家を集めることになった。
 その話を聞きに、アーティスティック・ディレクターのルネ・マルタンに会いに行った。
 彼には何度もインタビューし、ナントの「ラ・フォル・ジュルネ」でも会っているが、いつも前向きで資料を抱え、その語り口はなめらかで音楽の魅力を話し出したら止まらない。
「私は完璧主義で、いわゆるオタクなんですよ。ですから、テーマに沿って作曲家のことを徹底的に調べ、作品を選び出し、この曲だったらどのアーティストが向いているかと結論を出していくわけです。それを完璧に調べ上げる。ですから、何年間も行っていますが、間違った選択をしたことはほとんどないし、失敗はありませんね」
 こう語るマルタンは自信満々である。「オタクなので」と何度もいい、笑いを誘う。
 今回のインタビューは、次号の「音楽の友」に掲載予定である。
 数多くのプログラムのなかから、とりわけお薦めのものと、マルタンが厳選した3つのコンサートを語ってもらった。
 彼は各地の音楽院の教授や指導者と親しいため、そうした人たちが「すばらしい才能が現れた」「この人は絶対に伸びる」「この才能は聴いておくべき」という、新たな演奏家を紹介してくれるという。
「そういうところにすぐに飛んで行き、実際に演奏を聴いてみます。そのなかから、私が《ラ・フォル・ジュルネ》で紹介したいと思う人を選び、プログラムを練り、演奏の場を提示するわけです」
 今回も、何人かこれから大活躍しそうな新たな才能が登場する。
 今日の写真は、「ラ・フォル・ジュルネ」のマスコットとともに。

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posted by 伊熊よし子 at 14:59 | 情報・特急便
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